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競合分析をする理論方法とポイントは?

競合分析の作成
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Part 1:はじめに

競合分析の方法と聞くと、数値計算という数学力が必要になると考えがちです。しかし、必ずしも数学力を問われるものではありません。ビジネスを変える効用を得るために、意思決定で用いる材料を構想する力こそが必要とされるのです。つまり「見つける力」が必要なのです。今回はこの分析材料を見つけ出す方法をできるだけわかりやすく、ストレスをかけないような視覚的にも美しい作図ソフトEdrawMaxと合わせてご提案してまいります。最終的には根のいる分析作業をまるで絵を描いたり、楽器を演奏したりするように、少しでも楽しいものであるように認識していただければ幸いです。


Part 2: 競合分析とは

ベン図

2.1 定義

競合分析とはマーケティング戦略の基礎となる分析を指します。マーケティングとは顧客のニーズを見極め、適切なタイミングと価格で製品を提供するための一連のプロセスとされています。もう少し具体的に言うと「顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の精度、そしてプロセス」とアメリカのマーケティング協会に定義されています。

2.2 メリット

競合分析を行う最大のメリットは自社と競合他社との差異の理解精度を高めることにあります。つまり、自社の強みを理解しどう伝えればいいのかを考えることができるのです。詳しくは「競合分析とは」でメリットのポイントをご紹介しておりますのでそちらも合わせてご覧ください。


Part 3:競合分析のやり方とポイント

では早速、競合分析の方法についてご紹介いたしましょう。競合分析の方法は多岐に渡りますが代表的なフレームワークをご紹介いたします。また、どの分析にも自社がどの市場に置かれていて、競合他社を分析することが共通事項となりますので、最初にご紹介する3C分析において、Customer、Competitorについて詳しくご紹介しています。

3.1  3C分析

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 3C分析とはCustomer(市場・顧客)Company(自社)Competitor(競合他社)という3つの要素の頭文字をとった分析ツールであるフレームワークのことです。市場の大きさや成長性、顧客ニーズを調べるCustomer(市場・顧客)とCompetitor(競合他社)の視点でCompany(自社)の現在の立ち位置、環境を把握するのに適した分析です。

Customer

① Customer-市場の量

3C分析の方法としてまずは、Customer(市場・顧客)を行う時には市場の量、質、そして変化を考慮する必要があります。市場の量とは市場規模や開拓余地を把握することです。市場規模は市場で競合するブランドの売上高を全て足したものだと考えてください。また、開拓余地とは製品やサービスに興味があるにも関わらず購入という意思決定にまで及ばなかった人がどのくらいいるのかを知ることで把握することができます。例えば、インターネット広告をみてクリックというアクションはしたのに購入までは及ばなかった例などから把握できます。

② Customer-市場の質

市場の質の選択とは「品質や性能・使い勝手」などの実利を求めているのか、「デザインやイメージ」などの感性を求めているのか、「実感」などの気分的なものを求めているのか、「自己実現」などを求めているのかなど、顧客が求めている市場の質を知ることで自社の場が適しているかを知ることができます。

③ Customer-市場の変化

市場の変化とは市場が成長期であるか成熟期であるか衰退期にあるのかを知ることで市場への参加の可能性を図ることができます。

Customer

① Competitor-競合ブランドの特定

Competitor(競合他社)を分析する場合、「競合ブランドの特定」「競合ブランドの構図」「競合ブランドの戦略とリソース」に注目してみましょう。競合ブランドを特定する時はまずは提供する商品・サービスからリストアップしていくのが主であると考えます。その商品・サービスをもとに、顧客から直接比較されるブランドである直接競合を特定しましょう。ただ、同じ商品やサービスを提供していなくとも提供価値が同じだとみなされる間接競合を意識しておくことで他社との差がつくこともあります。

② Competitor-競合ブランドの構図

 競合ブランドを特定できれば次は、そのブランドの規模を把握しましょう。この規模を調査する中で自社がとるべきポジションの理解が進みます。

③ Competitor-競合ブランドの戦略とリソース

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競合他社の規模を把握した次にとる行動はその規模のパーツの分解にあたります。対象となるニーズから調査しようと考えがちですがまずはリソースという土台を調査しましょう。このリソースを調査することで実は競合をニッチブランドとして捉えていたが実は大きなリソースに支えられていたことで自社との差別化がされていたという理解にもつながります。

3.2 4P分析

上図はEdrawMaxのオブジェクトを利用して描いたターゲット市場に製品・サービスが届くまでを工程別に分析できる4P分析図です。そして、その右にはEdrawMaxで使うことのできる4P分析カンバスがあります。4Pとは「商品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販促(Promotion)」の4つの頭文字をさし、マーケティング戦略を考察するためのツールであるフレームワークです。この分析では自社目線、顧客目線の両視点からとらえることができます。

4P分析を行う際には、まずは顧客像を明らかにしましょう。そのためにSTP分析と合わせて使われることが多いツール、フレームワークとなります。STP分析とは、市場を購買行動において似通っている顧客層の集団セグメント分け(S)をし、どのセグメントをターゲットにするのかで顧客を決定(T)します。その後、競合他社を考慮して自社のポジショニング(P)を定めていくツール、フレームワークを指します。4P分析は、顧客のニーズを把握した上で「どのような商品を、いくらで、どこで、どうやって伝えるのか」を具現化することができるのです。

 顧客層が把握できればその顧客目線と自社目線の焦点を合わせる作業をしていきましょう。主な確認すべき点は上図に質問形式で記述しています。それに答えるように一つずつ確認していきましょう。この4P分析は顧客目線が主体となります。この4P分析の延長戦にあるのが「カスタマージャーニー」というフレームワークです。このカスタマージャーニーとは顧客のアクセスしたポイントから商品・サービスを受けるまでの一連の過程を顧客の心理行動を元に描くものです。

3.3 SWOT分析

ベン図

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上図はEdrawMaxのSWOT分析のテンプレートの一例です。わたしが使うEdrawMaxではこの他にも多数のテンプレートが用意されおり、どのテンプレートをしようするか迷うほどです。

3C分析が自社価値である差異の精度を高めることつまり、自社の強みを把握するが目的であった一方、SWOT分析は状況によって柔軟に戦略が切り替えられるように準備をするために用いるツール、フレームワークです。

3C分析を補うツール、フレームワークとしてこのSWOT分析を用いるのが望ましいです。なぜなら、3C分析ではCompany(自社)を表す内部要因とCompetitor(競合他社) Customer(市場・顧客)を表す外部要因を並列して比較ができません。そのため、3C分析で自社の強みと弱みを把握した上で、SWOT分析のツールであるフレームワークを使用し機会に恵まれた時また、機会に恵まれなかった時にどう立ち振るまえばよいのかを事前に分析しておくのです。

また、3Cは競合他社を分析した上で自社の強みを考えるツール、フレームワークであるということは、目線は市場・顧客のニーズであったのに対し、SWOT分析の場合は立ち振る舞いを考えておくため目線は自社になります。

つまり、今までご紹介してきた分析フレームワークを順に行うことで競合他社を知り、自社の強みを理解することができるようになるのです。では、これらの分析を行う上で重要なポイントをお伝えいたしなしょう。

3.4  数値の山を築くのではなく意思決定につながる「評価判断項目」をみつけよう

マーケティング戦略の基礎となる競合分析を行う上でもう少し詳しく意識すべきポイントをご紹介いたしましょう。順序としては「準備する→集める→分析する→表現する→伝える」という大きな流れがあるのですが、結論から言えば、この準備から伝えるという流れの前にアウトカムという成果指標つまり「ゴールに直結する目標」を意識することが大切です。

ビジネスを変える効用を得るために、意思決定で用いる材料を構想する力こそが必要とされるのです。つまり「見つける力」が必要なのです。ビジネスにおいて究極的な目標は、利益を達成するために売り上げを増加させるかコストの減少を図ることです。そのため、顧客の利用頻度、客単価、設備の故障率などの指標を追いかけることになります。成果指標を明確にして「人→物→手段→時間→場所」という優先順位で解析単位つまり「分析の切り口」を定めるのです。

この解析単位を定める時、「自分の頭で仮説を考える」のではなく「分析の切り口である解析単位の特徴である説明変数を可能な限りデータから表現して目的変数に落とし込む」ことが大切です。「性別」や「職業」などの単純な項目ではなく「購買した商品数に占める商品ジャンルごとの割合」「購買した商品数に占める商品の割合」「購買した時間帯の割合」「購買日に占める平日の割合」などに項目を加工するのです。その後多変量解析において各説明変数の成果指標への寄与度を分析する多変量解析を行いましょう。

この多変量解析を行えば、例えば「靴を買う人はそう購買金額が8千円増える」というデータの山を築く事実ではなく、「靴好きは優良顧客である」という発見ができれば有効な分析結果つまり、意思決定につながる判断基準項目をみつけることができるのです。

多変量解析という言葉が出てきましたが、競合分析に使える分析としては重回帰分析、ロジスティク回帰分析を簡単にご紹介いたします。重回帰分析は金額・来店回数などのアウトカムが数字の大小(量)で示される時に行い、ロジスティク回帰分析は「自社の商品を買ったことがあるかないか」というような0か1かと分けられる質的な成果指標に用いられます。専門的な分析については決定木分析の記事を合わせてご覧ください。

3.5  競合他社の情報をサイトから集めよう

自社の強みつまり差異の分析を行うにあたりまずしなければならないのが競合他社の情報収集です。具体的な数値ですと売上高、利益率、販売管理費など決算報告書などで把握することが挙げられます。それに対する消費したソースなども把握するのがよいでしょう。

決算報告書の「数値」から分析する方が自社の強みを基準にして他社を解釈することができるので遠回りに見えて実は一番の近道であるのは間違いないのですが専門的な知識を要するのも確かです。そのため、競合の意図や方針を狭い範囲で解釈することになるのでリスクも及びますが、競合他社の現時点での完成品から競合他社の構図を分析する方法をご紹介いたします。

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上図のサイトを用いて3C分析でご紹介しました競合他社の構図を知れる方法です。それはSEOチェキ!、SEOアクセス解析ツール、Ghostery、インターネットアーカイブです。そして、4P分析の延長線上になる「カスタマージャーニー」のフレームワークをも考慮できる具体的にヒトの流れや属性を知ることができるSimilarWebを使うのもよいでしょう。競合サイトのURLを入力すると、訪問者数や滞在時間、訪問前や訪問後のサイト、訪問ユーザーの属性などを取得することができるのです。この情報と自社を比較すれば自社の強みを生かすことのできる切り口アウトカムをみつけることができるのではないでしょうか。

以上により、分析から意思決定の判断基準項目を見つけることを念頭におきながら、他社の情報収集を行う具体的な方法をご紹介いたしました。


Part 4:  競合分析図作成ソフトEdrawMaxをお勧めします

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 EdrawMaxではこれまでにご紹介したテンプレートだけではなく、上図のような色彩豊かな競合分析に使うことのできるテンプレートやカンバスが数多く用意されています。わたしは時間があれば作図ソフトEdrawMaxを開き、自分のビジネススタイルが準備できているのかを確認します。EdrawMaxはワークスペース下にパレットが常時表示されており、カーソルで色をなぞるだけですぐにプレビューが表示されるところが気に入っています。分析はとても根のいる作業が続きます。EdrawMaxは色彩豊かなテンプレートが豊富にあり、伝えたいビジネスを人を選ばずに、かつリラックスしてもらいながら聞いてもらえるのです。


Part 5:  まとめ

今回はEdrawMaxの豊富なテンプレートを例にあげながら競合分析の方法についてご紹介してまいりました。競合分析は一つの側面からではなくあらゆる角度で、これまでにご紹介したツールであるフレームワークなどを利用しながらビジネスを時代に合うように、起こりうるリスクを予測しながら意思決定をしていきます。つまり、差異である強みを引き出すことができない切り口での分析では淘汰されてしまうのです。どんな製品・サービスを伝えたいのかに適切な問いを立て、自社の理念に照らしながら競合との差別化を図りましょう。その時はぜひ、色彩豊かな作図ソフトEdrawMaxをお供にしていただきませんか。ご一緒に精度を高め、またそれを仲間と共有し、より質の高いコミュニティーをデザインしていきましょう。

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