科学と教育 知識

科学イラストを活用する化学式の作り方

作図ソフトで化学式のレジュメの作り方

理科教師科学系のレジュメを作ることは面倒だが、グラフや式の手書きなどかなりの時間がかかります。今回は高校生で苦手が続出する有機化学や化学式の指導に役立つポイント、科学イラストが豊富で資料の作り方で困らないツールをご紹介します。

実験図で書くならEdrawMax(エドラマックス)

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Part 1: 化学式とは

化学式

☝☝上図:EdrawMaxで作成した化学式☝☝

化学式とは、世界に存在している物質を数や元素記号で示したものです。その物質はどの原子がいくつ集まったものか示すことができます。元素記号 (原子の記号) 数字 (原子の個数) を組み合わせていることが特徴です。
高校生になると化学式は覚えなければいけない種類が多く、単に暗記するだけでも苦労します。特に、異なる原子(元素記号)が組み合わさる化合物になると非常に大変です。

→関連記事:化学反応式とは?ーー化学反応式を図式化で理解する勉強術
→関連記事:化学実験図の作成方法



Part 2: 化学式の種類

高校生になって学ぶ化学式には大きく分けて4つの種類があります

● 組成式
● 分子式
● 示性式
● 構造式

● 組成式(実験式)

組成式(そせいしき)とは、化学式の中でも物質の元素組成を表す時に用います。さまざまな実験を通して定める化学式であるので、実験式(じっけんしき)と呼称されることも多いです。
大きな特徴として、化合物を構成している原子の種類と割合を最も簡単な整数比で表していることが挙げられます。

● 分子式

分子を構成する原子の種類と数を表した化学式を。分子式(ぶんししき)といいます。分子式があることで、物質を構成している原子の総和がわかります。原子の総和がわかると、分子量を求めることができるので、計算問題で必要な化学式です。

● 示性式

示性式(しせいしき)とは、分子式中の官能基に着目している化学式です。分子式では表せない構造を示したいときに示性式が使われます。

● 構造式

分子中の化学結合を示し、分子構造を表している化学式が構造式(こうぞうしき)です。
化学結合とは、価標(かひょう)と呼ばれる直線で示すことになっています。単結合は1本の線(-)、二重結合、三重結合を、それぞれ2本線(=)、3本線(≡)で表すことが特徴です。


● 水素(H2)H-H
● 酸素(O2)O=O
● 二酸化炭素(CO2)O=C=O
● アセチレン(C2H2)H-C≡C-H

組成式以外は、高校生で習うものなので基礎から入念に指導する必要があります。実験式である組成式を苦手としている場合は、中学生範囲からの実験をイラストで確認することをおすすめします。

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→関連記事:実験図作成ソフト - 無料の実例をダウンロード
→関連記事:基本的な化学実験を図で見える化する学習方法



Part 3: 作図ソフトで有機化学式の作り方

3.1 EdrawMaxの使用方法

EdrawMaxは豊富な科学記号を提供しております。まずはEdrawMaxを起動して「新規作成」「科学と教育」という順を選択します。ここで「化学方程式」をダブルクリックすると、EdrawMaxの編集画面が出てきます。 左側の「ライブラリー」から化学の記号を編集画面にドラグすると化学記号の間で組み合わせすることができます。

EdrawMaxの編集画面

EdrawMaxの編集画面

3.2 EdrawMaxで官能基と芳香族の式を作ろう

有機化学とは、「炭素を中心とした構造を持つ化合物=有機化合物(有機物)の性質」に着目している化学になります。有機物は炭素の他にも、水素や酸素を始めとして、窒素、硫黄なども含んでおり、化合や分解の化学反応における構造をしっかり理解して化学式に入ることが重要です。
加えて、高校化学の中でも代表格である有機化学式の作り方を理解してもらうためには、官能基と芳香族の2つをしっかり定着させることも必要になります。

• 官能基

有機化学の官能基

☝☝上図:EdrawMaxで作成した有機化学の官能基☝☝

「特別な性質を示す構造」をもっているものを官能基といいます。図にあるヒドロキシ基やニトロ基のように、構造ごとに「~基」というような名称になることが官能基の特徴です。 官能基それぞれに性質や化学反応で見せる主な反応が異なるため、官能基を覚える際には、名前と構造式だけでなく、特徴や図をまとめて整理しておく習慣を定着させることがポイントになるでしょう。

• 芳香族

有機化学の芳香族

☝☝上図:EdrawMaxで作成した有機化学の芳香族☝☝

すべての有機化合物は、脂肪族化合物と芳香族化合物に分けることができます。芳香族こと「芳香族化合物」は、ベンゼン環に代表されるような芳香族性という性質をもつ環の化合物です。

両者の違いが分かるように図と言葉がリンクしている資料作りが効果を発揮するでしょう。

3.3 EdrawMaxで有機化学反応式の作り方

• 結合

化学式をマスターするには、数の係数だけを着目するだけでは不十分です。左辺に反応する前、矢印より右辺で反応後の状態であるのは従来どおりですが、「結合」「環」への意識が求められます。

有機化学の反応式

☝☝上図:EdrawMaxで作成した有機化学の反応式☝☝

化学反応を起こす前は単結合と、二重結合で結びついていた物質が水素など他の有機物と化合した際に単結合のみになってしまうなど、結合の変化にも意識を促すことが必要です。

• 環の化合

有機化学の反応式

☝☝上図:EdrawMaxで作成した有機化学の反応式☝☝

物質が有機化合した場合に、芳香族性をもつ物質になることもあります。その場合は、環の化学式を用いて芳香族性であることを示すことが必要です。
正確な化学反応を図式化するには、科学イラストなどを備えた適したツールが必要だと言えるでしょう。

まとめ

作図ソフトEdrawMaxは、化学を勉強したい学生、化学の教鞭をとっている先生や講師のかたにおすすめのツールです。EdrawMaxさえインストールしてしまえば、特別な操作が不要で科学イラストや化学式に必要な化学記号が搭載されています。
教科書の勉強や試験の問題作りに必要な実験図や化学式が手間を掛けずに作ることが可能です。日頃、時間がなく作り方を模索している方こそ、一度お試しください。

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