科学と教育 知識

化学実験図の作成方法

化学のレジュメを作成するためのドローソフト

化学嫌いの学生でも分かる授業を展開していくには、実験図をわかりやすくまとめたレジュメ作りにかかっています。しかし普通のオフィス向けソフトでは、行動な操作が必要で仕上がりに不満を感じている先生もいるかもしれません。 今回は実験図の質が高いレジュメ作りに適したドローソフトと、実際にドローソフトを用いた実験図例を紹介します。

実験図で書くならEdrawMax(エドラマックス)

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Part 1: 化学反応の種類

身の周りにある様々な物質の構造や性質、また実験した時の反応やその後の変化について学ぶ学問が化学です。化学反応の種類は多くあり、学生は代表的な化学反応と化学反応式について覚える必要があります。

1.1: 化学反応のポイント

● 化学反応
2種類以上の物質を合わせたことで起こる変化や、化学変化が起きる過程のこと
● 化学反応式
元素記号や数値を用いて、反応前後の原子や分子を式で表したもの

1.2: 高校で学ぶ高度な化学反応式の例

● 酸・塩基反応に関する化学反応式
酸と塩基が化学反応すると塩と水が生成する。
HCl+NaOH→NaCl+H2O
● 酸化・還元反応に関する化学反応式
物質が酸素と化合したり、還元して元の物質に戻る。
C+O2→CO2や2H2+O2→2H2O
● 電池に関する化学反応式
物質にあるイオン(電子)化など化学反応を利用して電池にする。
H2+2OH−→2H2O+2e
● 電気分解に関する化学反応式
水溶液に電極を入れることで、陽極、陰極それぞれに気体発生などの化学反応が起こる。
2H2O+2e−→H2(陰極)+2OH(陽極)
● 沈殿生成反応に関する化学反応式
水溶液中のイオンが合わさって、沈殿するほどのイオン結晶が出来る。
Cu2+ + 2OH→ Cu(OH)2
● 両性元素に関する化学反応式
酸・塩基の両方と化学反応することができる物質がある。
Al2O3+6HCl→2AlCl3+3H2O
● ハロゲンに関する化学反応式
酸化力の強いハロゲン分子が、酸化力の弱いハロゲンイオンから電子をもらいハロゲンイオンとなる。
2KBr+Cl2→2KCl+Br2

高校で学ぶ化学反応式は多岐にわたり、もともと苦手とする生徒の抵抗を強めてしまう可能性があります。化学反応の基本である、化合、分解、還元、中和の4つを正しく理解できる実験図のレジュメから入ると良いでしょう。

→関連記事:化学反応式とは?ーー化学反応式を図式化で理解する勉強術



Part 2: 化学実験図の作成方法

科学実験図のレジュメ作りの参考として、ドロ-ソフトEdrawMaxを利用して作図をしてみました。同製品は、実験図に活用できるイラストやテンプレが備わっているのでレジュメ作りに適しています。基本的な実験から応用がきいた実験図もそつなく作成が可能です。

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2.1 EdrawMaxの操作方法

1.EdrawMaxをダンロードしてインストールします。
2.新規画面の「新規作成」「科学と教育」「科学」から「実験器具」を選択してください。

化学実験図

3.方眼紙のような編集画面で自由に作図することが出来ます。左側の「ライブラリ」から実験図のイラストをど編集画面にドラグして編集できます。さらに外部からの素材をEdrawMaxに導入することも可能です。

化学実験図

4.化学実験でよく使うアルコールランプやフラスコなどの器具はEdrawMaxもそういうようなイラストを提供しています。
5.右上のボックスで項目を選択すると、アルコールランプの点灯状態を選択できます。フラスコの内容物にも選択出来ます。

化学実験図

化学実験図

6.フラスコのイラストをクリックしてきいろいなひし方が出てきて、それを上や下にドラグすると、液体の目盛りを調整できます。

化学実験図

7.またイラストの組み合わせという操作が自動的に認識されています。実験図をすばやく完成させるために非常に便利な機能です。

化学実験図

→関連記事:実験図作成ソフト - 無料の実例をダウンロード
→関連記事:基本的な化学実験を図で見える化する学習方法

2.2 鉄と硫黄の化合反応

 鉄と硫黄の化合反応

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化学反応の基本である化合の実験図です。アルコールランプやスタンドといった器具は、全てデフォルトで入っているイラストを用いて作成しました。
化合は2つ以上の物質が合わさって、別の物質になる変化をいいます。この実験は、鉄が硫黄と化合(硫化)する化学反応が起こり、硫化鉄という別の物質に変わりました。
ただ混ぜ合わせるだけでは化合は起こらず、熱することにより化学反応が起こりやすい状態になります。
ただ文字情報だけで説明するよりも、図を用いることで実験の手順が明確になり、どのような器具が必要であるか説明も容易になります。

2.3 塩素の製法

 鉄と硫黄の化合反応

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化学実験図の応用として、複数の化合物から純粋な物質だけ取り出す実験を紹介します。
酸化マンガン、濃塩酸、濃硫酸と出てくると難しいイメージもありますが、基本的な化学反応を理解していると手順を説明すれば理解も無理ではないでしょう。

基本的な化学反応
● 化合
2つ以上の物質が別の一つの物質になること
● 還元
化合した物質が他の物質と化合して、化合物が元の物質に戻ること
実験の流れ
1. 濃塩酸と酸化マンガンが化学反応
濃塩酸と酸化マンガンを化合させることで、塩素(気体)、塩化マンガン(固体)、水(水)が発生します。また熱して塩酸を加えている関係で、発生している気体の中には塩酸も混じっていると考えられます。
2. 塩酸を吸収する
塩素(気体)だけを取り出したいため不要なものを順番に取り除いていきます。まずは、塩酸を取り除きます。塩酸は水に溶けやすいという性質があるため、発生した気体を水に通すことで塩酸だけを吸着させることが可能です。
3. 水を吸収する
2の操作により、塩素と水だけが混ざっている状態になりました。水だけを除去するには、濃硫酸を用います。濃硫酸は脱水剤として活用される薬品で、水を吸着する働きがあります。
4. 純粋な塩素だけになる
複数の物質がまざっている状態でも、それぞれに化合しやすい物質がある性質を利用することで、任意の物質を取り出すことが出来ます。今回は塩素だけを取り出すことが出来ました。


Part 3: まとめ

今回は化学の授業に役立つレジュメ作りのポイントについて紹介しました。化学は化学反応基づいた実験が多い分野です。しかし、ベースとなっているのは基礎的な化学反応が多いです。ドローソフトを活用して、実験図を明確にしたレジュメがあれば学生の理解度を高めること出来ます。
ぜひドローソフトEdrawMaxを、レジュメ作りのお供に加えてみませんか?

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