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特性要因図とは?書き方と作成ポイントなどを徹底解説!

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特性要因図とは

製造業において重要なQC7つ道具は、収集した多くのデータを整理したり、関係性の分析をしたりするためのものです。その中でも、今回は特性要因図、いわゆるフィッシュボーン図と呼ばれる手法に関して詳しく解説します。特性要因図の意味から目的、使用するメリットまで詳しく解説するので、今後特性要因図を活用したいと考えているならぜひ、参考にしてみてください。

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特性要因図とは

特性要因図とは、問題に対してどのような原因があるのかをわかりやすく説明した図です。どの要因がどのような結果をもたらしたのかを視覚化して、わかりやすくしたものであり、その形が魚の骨に似ていることからフィッシュボーン図とも呼ばれています。ここでは、特性要因図の以下の点に関して、一つずつ詳しく解説します。

  • 特性要因図の意味
  • 特性要因図の要素
  • 特性要因図の目的
  • 特性要因図の種類
  • 特性要因図と4M・5M

特性要因図の意味

特性要因図の意味とは、結果や問題について原因を書き出しているものであり、どのような原因があって結果に変化をもたらしているのかがわかるためのものです。問題に対して原因究明をおこなうため、問題に対して対策をしたい場合に役立つでしょう。どのような原因によって問題のある結果がもたらされたのかを、きちんと把握することが重要です。原因を究明することで改善し、次に生かすことができます。

特性要因図の要素

特性要因図の要素には、以下の3つがあります。

  • 結果を指す「特性」
  • 結果に影響する要素の「要因」
  • 「なぜなぜ分析」で得た小さな要因

それぞれどういったことなのかを一つずつ詳しく解説します。

結果を指す「特性」

特性要因図の「特性」とは、結果のことです。現在起こっている問題のことであり、事故の発生などといった結果を改善するためには、なぜそのような結果に至ったのかという原因を究明しなくてはなりません。その結果である「特性」を知ることこそが、特性要因図の目的といえるでしょう。

結果に影響する要素の「要因」

「要因」とは、結果に影響するものであり、なぜそのような結果をもたらしたのかという原因のことです。「要因」にはさまざまなものがあり、結果に重大な影響を与える大きな要因から、特に影響がないような小さな要因までさまざまです。ただし、小さな要因をどんどん深堀していくことで、大きな要因を見つけることができる場合もあるため、一見すると影響がないように見える小さな要因も重要であることが考えられます。この「要因」を知ることによって、結果を改善することができるようになります。

「なぜなぜ分析」で得た小さな要因

「なぜなぜ分析」で得ることができる小さな要因を、さらに深堀していくことが重要となってきます。「保全のための部品が欠品している」「何度も同じ事故が発生する」「作業にぬけがある」など、毎回同じトラブルが発生するのは、この「なぜなぜ分析」ができていないからです。問題に対して「なぜ」を繰り返し、小さな要因から深い影響を与える要因を見つけ出すことが大切です。

特性要因図の目的

特性要因図の目的は、良い結果が出ないときや期待するほどの結果が出ないときに、その原因を究明して「なぜその結果につながったのか」「結果が思わしくない要因は何なのか」を把握することです。特性要因図によって良い結果が出ないときの要因を把握し、改善することで次回には良い結果を出すことができるようになるでしょう。

特性要因図の種類

特性要因図には、以下の2種類があります。

  • 整理
  • 検討

「整理」は、要因が多すぎるときに使います。要因が多すぎるとごちゃごちゃしてしまい、どの点を改善するべきなのかがわからなくなってしまいます。そのため、共通する要素や具体性・抽象度のレベルによって分けることで多くの要因をわかりやすく整理することが重要となってくるのです。そういったときに使われるのが「整理」の特性要因図です。一方で「検討」の特性要因図は、多くの人が集まって要因について検討する際に使用されます。現状で共通する要因に対して理解を得る必要があるため、既存の特性要因図を使えばよく、新しく作成しなくてもよいところがポイントといえるでしょう。

特性要因図と4M・5M

特性要因図において重要なのは、結果に対して要因を出していくというところですが、だからといってやみくもに要因を列挙すればいいというものでもありません。その時に必要とされるのが、4M・5Mの考え方です。4Mとは、以下の4つの分類です。

  • 人(Man)
  • 設備 (Machine)
  • 方法 (Method)
  • 材料 (Material)

それぞれの分類は、英語にするとすべて頭文字がMで始まることから、4Mと呼ばれています。また、ここに「測定」や「検査」を加えて5Mにする場合もあり、自社に合ったやり方で他に追加することもあるでしょう。思いつくままに適当な要因を列挙するよりも、4M・5Mを中心にして要因を出していくと、必要な要因を抽出することができ、品質管理を高めることができます。

特性要因図を使用するメリット

特性要因図を使用するメリットには、以下の4つがあります。

  • 根本的な要因を特定することができる
  • ノウハウを確立できる
  • 問題意識を共有できる
  • 活用の幅が広い

それぞれどういったことなのか、一つずつ詳しく解説します。

根本的な要因を特定することができる

特性要因図を使うことで、表面的な要因だけでなく、深堀して根本的な要因を特定することができるのがメリットといえるでしょう。課題を細かく洗い出すことが可能であるため、先入観やあいまいさを排除することができ、科学的に原因を追究することが可能です。確かな原因を追究することができるため、現場の問題解決に役立ち、何度も同じトラブルが起こることを防止できるのが特性要因図を活用するメリットです。

ノウハウを確立できる

一度特性要因図を使用して問題を根本的に改善することによって、ノウハウを確立することができます。それにより、「毎回作業にぬけがある」「何度も同じトラブルが起きる」などといったことを防止できるでしょう。

問題意識を共有できる

問題意識を共有できる、というのも特性要因図を活用するメリットの一つです。なぜそうなったのか、という問題に対する要因をすべて視覚化することができるため、全員で問題意識を共有しやすいのです。また、問題に対して全員で意見を出し合うこともできるため、より共有の意識を高め、全員で問題の解決に取り組むことができるのもメリットといえます。

活用の幅が広い

特性要因図は、問題を解決するだけのものではありません。うまく使いこなすことができれば、問題解決以外にも品質の向上や管理方法の見直しなども可能です。利益向上につなげることができるため、どんどん活用してさまざまな点を改善していきましょう。

特性要因図の書き方

特性要因図を活用するには、基本的な書き方を把握しておく必要があります。特性要因図の書き方の手順は、以下の通りです。

  • 背骨を書く
  • 背骨に要因を書き込む骨を書く
  • 4Mないし5Mを決める
  • 小骨を書き込む
  • さらに細かく要因を書き込む

それぞれ、どういったことなのかを詳しく解説します。

背骨を書く

まずは、横に太い線を書き、背骨にします。一番右側に閣下と書き込むとわかりやすいでしょう。この背骨は、特性要因図で解決したい問題点のことになります。一番初めに、何を解決したいのか、という問題点を明確にしておくことが重要です。そのため、図の横側のスペースなどに、問題点を言葉で書きこんでおくのもいいでしょう。問題点は全員で共有できるようにわかりやすくかつ簡潔に、箇条書きなどで書き込むのがおすすめです。

背骨に要因を書き込む骨を書く

背骨を書き、問題点を洗い出し終わったら、そこに太い骨を4~5本書き込みましょう。この骨に、大まかな要因を書き込むことになります。太い骨は、背骨に矢印を書くような感じで記入するといいでしょう。

4Mないし5Mを決める

要因の骨を書き終わったら、4Mないし5Mを決めます。一応4Mの基本はありますが、自社に合った形に変えるのもいいでしょう。たとえば、設備や人の部分を環境や教育に変えることもあります。また、必ずしも4~5個でないといけないということはなく、収まりきらないようなら6つ、要因の骨を書き込むこともできます。重要なのは、思いつきやすい要因をわかりやすく記載するということです。

小骨を書き込む

要因となる太い線を書き終わったら、なぜそのような要因が出てきたのかをさらに掘り下げます。掘り下げて出てきた要因を、小骨として書き込んでいきましょう。太い骨に矢印で結びつけるようにして、掘り下げた要因を書き込んでいくとわかりやすくなります。

さらに細かく要因を書き込む

太い骨に小骨で要因をつけたら、さらにその小骨の要因を細かく分析していきます。より細かい要因を掘り下げて、それぞれの小骨に矢印を結び付けましょう。細かい要因がない場合は、なくても構いません。全員で話し合いをして要因をすべて出し終わったら、最後に問題に対して一番影響力があると考えられる要因を見つけ出してください。

特性要因図を作成するポイント

特性要因図を作成するポイントには、以下の4つがあります。

  1. 要因の分類が重要
  2. 要因はすべて抽出する
  3. 先入観を捨てる
  4. 「なぜなぜ分析」が重要

特性要因図を作成するときのポイントをしっかり理解して、次につなげられるようなしっかりした特性要因図を作るようにしましょう。

要因の分類が重要

特性要因図を作成するときのポイントの一つ目は、要因の分類です。要因を分類することによって、問題点を的確に洗い出すことができるからです。しかし、この要因を分類するときに「テンプレートにあるから」「ネットにはこう書いてあったから」と記載されていることをそのまま流用してはいけません。たとえば、製造業であれば「人材」「設備」「方法」「材料」などとなるかもしれませんが、これが物品の物流から管理、販売まで行っているのであれば「調達」「物流」「管理」「販売」などとなるでしょう。特性要因図を作成する上では、適切な要因に分類することが重要です。

要因はすべて抽出する

要因は、すべて抽出しなければいけません。「面倒だから孫骨まではいらないだろう」などと、途中でやめてしまっては、本当に影響している要因を洗い出すことができない可能性があります。そのため、細かくなったとしても、必ずすべての要因を洗い出し、書き出すことが重要です。

先入観を捨てる

先入観を捨てるのも重要です。先入観を持ったままだと、要因を書き込むときにも「これは書く意味がないだろう」「この要因は必要ないから書き込むのはやめよう」など、要因をすべて抽出することができない場合があります。そのため、先入観を持たずに要因を書き込んでいくことが大切です。

「なぜなぜ分析」が重要

「なぜなぜ分析」をすることにより、さらに深く掘り下げて要因を追求することができます。なぜの問いかけを繰り返すことにより、結果と要因の階層を整理することができます。

特性要因図(フィッシュボーン図)作成の無料ツール

EdrawMaxは、特性要因図(フィッシュボーン図)作成の無料ツールです。作図や製図に特化しているツールで、さまざまな図を作成することができます。EdrawMaxを検討しているのなら、特徴や作成方法について知っておきましょう。

EdrawMaxの特徴

EdrawMaxの特徴は、ドラッグ&ドロップで作成が可能なため、短時間で簡単に作図ができることです。マルチプラットフォームで動作できるフリーマインドマッピングツールであり、豊富なテンプレートがあるのが特徴です。自分に合ったテンプレートを使用することで、より簡単に作図ができるのも特徴です。全プラットフォームに適応しているだけでなく、ワンクリックでさまざまな画像の保存形式が可能です。

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EdrawMaxでの特性要因図作成方法

EdrawMaxでの特性要因図作成方法は、以下の通りです。

  1. テンプレートを開く
  2. テンプレートの要因などの内容を変える
  3. 細かい部分を記載
  4. 保存・印刷

作成方法を順にみていきましょう。

テンプレートを開く

テンプレートを開く

テンプレートは目的別に作成されているので、自身の使用目的に合ったテンプレートを選んでください。テンプレートを選択し、「このテンプレートを使用する」のボタンをクリックすると、テンプレートを使用できます。

テンプレートの要因などの内容を変える

テンプレートの要因などの内容を変える

テンプレートの内容を変えることができるので、要因を自身に合ったものに変えることにより、自身に合った特性要因図を簡単に作成することができます。

細かい部分を記載

細かい部分を記載

テンプレートに直接書き込むことができるので、細かい部分までしっかり記入しましょう。必要であれば、左側の図形から好きな図形をドラッグアンドドロップで引っ張ってくることができるので、見やすくかつ使いやすく書き込みをしてください。

保存・印刷

ファイルをクリックすると、左側に「名前を付けて保存」という部分があるためクリックしてください。印刷したいときには、一番下の「印刷」をクリックします。いったん終了するときも、保存をしておくといいでしょう。

まとめ

本記事では、特性要因図とはどういったものなのか、どのような意味やメリットがあるのかなどを詳しく解説してきました。特性要因図を使用することで、結果に対してどのような要因があったのかがよくわかります。EdrawMaxは初心者でも使いやすく、無料で使うことができるのでおすすめです。より品質を高めることも期待できるため、ぜひ使用を検討してみてください。

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