建築デザイン、間取り図 知識

床伏図とは?見方・書き方を説明

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編集者: Edraw

建築工事で使用する図面には多くのものがあり、その中のひとつに「伏図」という図面があります。伏図にはさらに種類があり、 基礎伏図、床伏図、屋根伏図といった図面があります。

今回の記事では、そんな伏図のひとつである「床伏図」の見方や書き方について詳しく解説していきます。

1.床伏図とは

床伏図とは

(出典:LIXIL HP)

床伏図とは、各階の床や梁などの構造材の組まれている状態を示した図面です。構造部材の配置やサイズがわかる図面であるため、施工の際に重要となってくる図面のひとつです。

家具や建具といった部材は床伏図では出てきません。床伏図は一般的に1/100~1/200程度の縮尺で作成されます。

床伏図は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造といった構造によって、図面の書き方が違う部分もあるため、構造材料の種類を確認して図面作成を行う必要があります。

2.床伏図の読み方:符号、凡例と専門用語

床伏図は読み方が理解できていなければ、構造材のサイズや位置などを正しく図面に落とし込むことができません。

間違った図面を作成すると実際の施工の際に正確な施工が行われず、建物の強度にも影響を与えてしまいます。そのようなことにならないように床伏図の読み方などを正しく理解していきましょう。

まず床伏図を読む際に注意しておくべきポイントがいくつかあります。

・X方向、Y方向の通り芯間の距離を確認

床伏図は他の伏図と同様に、X方向、Y方向に一定のスパンで基準線を明記して寸法を記入していきます。

このスパンを読み間違うと寸法とのずれが生じ、図面が見づらくなると共に、構造材である梁の設置位置のミスが発生する可能性があります。

・柱符号、梁符号を理解すること

床伏図で表示される柱や梁には決まった符号を用いてその材サイズなどを表します。
柱の場合は「C〇〇」梁の場合は「G〇〇」小梁の場合は「B〇〇」間柱は「P〇〇」と表記します。

・梁の高さを理解すること

次に注意する点として、設置されている梁の高さをわかるようにします。高さが異なる部分の構造材にハッチングを行い、見た目に変化をつけるか、直接レベルの寸法を記入しておく必要があります。

上記のポイントは床伏図において重要なポイントです。次に床伏図で表記される各構造部材については凡例を用いて読み取りができるようにまとめていきます。

柱や梁、各種金物や、継ぎ手などを凡例としてまとめていき、図面上の構造材の位置がわかるようにしていきます。

3.床伏図の書き方:記法

ここからは床伏図の書き方について詳しく解説していきます。例として木造で1階の床伏図を想定した書き方を紹介します。

1.X方向、Y方向に基準線を記入する。

一点鎖線などで建物のモジュールで基準線を引き、あとで設置する土台や大引きの作成の際の基準となってきます。

X方向、Y方向に基準線を記入する
 

2.土台、大引きを図面に記入していく。

基準線をもとに実際の土台や大引きの厚みで作成していきます。長さや位置を間違えることがないように注意しましょう。

土台は実線で記入し、大引きは点線などで記入することで、構造材を明確に分けることも可能です。番号を記入し、実際の材料にも番付を行うこで、現場で材料を配る際にも便利です。

土台、大引きを図面に記入していく
 

3.柱の位置を記入していく。

四角の中にバツをを書いて柱の表示を行い、決まった位置に柱を表記していきます。基本的には基準線のモジュール通りに設置していきますが、モジュールの寸法でなく間取りの問題で違う寸法の箇所もあるので、注意して設置していきましょう。

柱以外に間柱なども記入しておくと、より密度の高い図面に仕上がっていきます。さらに柱に似ていますが、地束といって腰壁の設置などに用いる、腰高程度の柱についても表記しておくと施工の際にわかりやすいです。

柱の位置を記入していく

4.継手位置、ホールダウン金物を記入する。

土台の長さが長くなる場合には、金物などを用いてつないでいきます。そんな継手の箇所を明示していきます。

さらに、ホールダウン金物といって、基礎と土台を緊結するためのボルトの位置も床伏図に表記が必要です。位置と合わせてホールダウンの金物のサイズについても表記していきます。

継手位置、ホールダウン金物を記入する

5.床下点検口など追加で必要な部材を記入していく。

構造材ではないですが、床下点検口などの床組みに干渉する部分にも表記しておくと、実際に工事がスタートする際に設置位置の検討が可能です。

最近では床下に換気システムを設置する会社もあります。床下や小屋裏にダクトを通す必要があるため、床組みと干渉しないように図面に記載するのも有効です。

床下点検口など追加で必要な部材を記入していく

6.寸法を記入していく。

最後に寸法の表記を行います。基準線によってモジュール寸法はわかりますが、それ以外の特殊な部分については寸法にてわかるようにしましょう。この寸法をもとに構造材の加工を行っていくため、寸法の間違いがないようにしましょう。

寸法を記入していく

このような手順で床伏図は作成されていきます。

床伏図は材料の加工や施工の現場で使用される重要な図面です。間違って図面で加工されれば、現場で材料を加工しなおしたりと無駄な作業が発生してしまいます。

材料のサイズや位置、寸法などといった情報にミスがないように注意しながら図面作成を行いましょう。

4.おススメの伏図作成ツールEdrawMax

ここからは建物の構造をわかりやすく表現した図面である床伏図作成におススメの図面作成ツール:EdrawMaxについて紹介します。

EdrawMax(エドラマックス)はWondershare(ワンダーシェアー)が提供している作図や製図業務に特化したソフトウェアです。機能性が高く建築業界以外の業界でも多数導入されており、図面作成だけでなくチャートや組織図などの機能を活用されています。まずは下のボタンから無料ダウンロードしましょう!

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ここからは、実際に床伏図作成に役立つ機能についていくつか紹介します。

・他のCADソフトで作成したデータのインポートが可能

Jw-CADやAuto-CADのデータの取り込みが可能であり、他社が作成した図面の修正などが容易に行えます。

他のCADソフトで作成したデータのインポート

・図形のサイズを細かく設定が可能

図形の寸法を細かく設定できるため、柱や梁などの構造材のサイズを正確に表現可能です。

図形の寸法を細かく設定できる

・基本図形の種類が豊富で図面作成が効率的に行える

基本図形で使用できる素材が多いので、長方形や四角や丸などを上手く利用することで、図面作成時間の短縮がはかれます。

基本図形で使用できる素材が多い

上記のように便利で利用しやすい機能が多数あり、無料試用版もあるので、すぐにでも図面の作成が行えます。
直感的な操作性で複雑な図面作成にも対応しており、床伏図の作成にも活躍してくれるソフトといえます。

5.床伏図に関するFAQ

ここからは床伏図と意味合いが近く混同されがちな見上げ図との違いについてと、各種伏図との違いについて紹介していきます。

床伏図と見上げ図の違い

床伏図と似たような図面に見上げ図という図面があります。
大きな違いとしては、建物の構造部分を違った視点から見た状態を表した図面です。
そんな床伏図と見上げ図のそれぞれの目的や違いについて紹介します。

床伏図 床伏図は各階の床組みの状態を表した図面であり、構造部材の位置やサイズを確認するための図面です。
見上げ図 見上げ図は、各階の柱や壁、ひとつ上の階の床や梁を表した図面です。
直感的に見上げた状態を表した図面で、梁なは表記されないのが特徴です。

床伏図では、構造部材の位置やサイズ感を、見上げ図では上下階の構造を示すためどちらも構造を把握するために重要な図面ですが、その用途に合わせて選択する必要があります。

床伏図、小屋伏図、基礎伏図の比較

同じ伏図の種類にある、床伏図、小屋伏図、基礎伏図があります。

図面の書き方などは基本的には同じですが、その目的がどこを示す図面であるかという点が違います。

床伏図 床組みを上から見下ろした状態を表した図面であるため、各階の床部分の構造を表します。
小屋伏図 小屋伏図は建物の小屋組み部分の構造を表した図面
基礎伏図 基礎伏図は建物の基礎部分を表した図面となっています

それぞれに図面で表れてくる構造材が違うため、基礎伏図は主に基礎工事で見る図面。床伏図、小屋伏図は主に大工工事業者が見る図面となってきます。

このように同じ伏図でも適切に使用される場面が異なるため、書き方のルールや読み方については注意して図面作成を行う必要があります。

まとめ

今回の記事では、床伏図とはどのような図面で、その読み方、書き方について解説していきました。

床伏図は各階の床組を表した図面であり、材料の加工や現場での施工に用いられる重要な図面です。基礎伏図、小屋伏図、屋根伏図など違う部位を表した図面もあります。

図面の目的を理解して図面作成を行うことで、より正確な図面作成につながっていきますので、今回の記事を参考にぜひチャレンジしてみてください。

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