建築デザイン、間取り図 知識

基礎伏図とは?基礎知識から書き方まで全面解説

基礎伏図は建築工事における各種図面の1種であり、基礎工事を進めていくうえで非常に重要な図面です。

そんな基礎伏図ですが、専門的で特徴的な内容が記載されているため、初めて見る人には理解するだけでも一苦労です。さらに施工業者は図面に書いている内容や読み方・書き方を理解していなければ、図面通りの基礎を作ることができません。

そこで、今回の記事では基礎伏図とはどんな図面で、その読み方・書き方について詳しく解説していきます。

基礎伏図とは?

基礎伏図

(引用:京都建築構造技術研究所一級建築士事務所)

基礎伏図とは、住宅などの建物に必要な基礎の断面形状や、アンカーボルトや人通口の位置などが記載された平面図のことをいいます。

建築物における基礎は、建物全体の荷重を支える重要なものです。

基礎の種類には、「直接基礎」「杭基礎」といった種類があります。

直接基礎は、地盤の地耐力が強い支持層が浅い位置で存在している場合に採用される基礎の工法であり、建物の重量を基礎を通して地盤に直接伝えていきます。地盤の強度が重要となってくる工法です。

杭基礎は、軟弱地盤で用いられる基礎の工法です。

地中深くの支持層まで杭を打ち込みその上に基礎を作ることで、建物の荷重を支えます。

杭の種類には、コンクリート杭、鋼管杭といったものがあります。

基本的な基礎伏図の表記は同じですが、基礎の種類によって書き方も異なるため、基礎の種類にあった基礎伏図を理解しておく必要があります。

基礎伏図の読み方:符号、凡例と専門用語まとめ

基礎伏図の読み方:符号

基礎伏図は多くの情報が入っている図面であるため、その読み方を理解しておく必要があります。

図面の内容を理解していなければ、実際に工事が進められません。

ここからは、そんな基礎伏図を正しく読むために、符号や凡例、専門用語について詳しく解説していきます。

・基礎伏図の通り符号

基礎伏図には通り符号といって、建築物の壁や柱の中心線に位置した符号があります。

図面上での水平方向と垂直方向に配置され、寸法の確認や鉄筋の配筋ピッチを検討する際に便利です。

・基礎の寸法

基礎工事を行う際には、基礎の長さ、厚さ、基礎梁の厚さ、設計GLの高さなどさまざま部分の寸法が表記されています。

各種寸法をもとに基礎がつくられていくため、どの部分の寸法を表しているのか理解しておきましょう。

特徴的なものでは、鉄筋の寸法の表記「D13@300」といった表記があります。

これは直径15mmの鉄筋を300mmピッチで配筋するといった意味です。

このような基礎伏図特有の表記があるため、しっかり理解しておきましょう。

・基礎柱、基礎梁、基礎床

基礎伏図の基本として基礎を表す表記は「F」柱が「C」梁「G」床部「G」と表記します。

これにより、基礎柱を表す部分については「FC」基礎梁の部分については「FG」基礎床部分を表す表記に「FG」といった形で表現をしていきます。

・アンカーボルト

アンカーボルトは基礎と構造部材で土台とを緊結するためのものであり、必要箇所に適切な数の設置が必要です。

基礎伏図の方に設置箇所とボルトのサイズを明記しておくことが大切です。

・人通口、床下換気口

人通口は人が通るための穴を基礎の立上り部分に設けるものであり、床下換気口は床下に湿気が溜まらないようにするための穴のことをいいます。

どちらについて基礎伏図の方へ設置箇所や穴のサイズを表記し、正しく設置する必要があります。

・基礎断面図

基礎断面図は基礎伏図のような平面図に対して、垂直断面からみた図面のことをいいます。

基礎伏図では表記できない、鉄筋の配筋状況や立上り部分の厚さ、高さなどより詳細な情報を表記した図面です。

・基礎伏図で用いられる凡例

基礎伏図でよく用いられる凡例はいくつかあります。

基礎伏図で用いられる凡例

スラブ部分のコンクリートなどで、鉄筋コンクリート部分には斜め線の3本、無筋コンクリート部分は斜め線2本で表します。

その他にも、砕石や捨てコンクリートなど部分には、斜線やハッチなどで表しよりわかりやすいものとしていきます。

上記で解説したもの以外にも、基礎伏図には特徴的な部分が存在します。基本的な部分から理解していき、早く基礎伏図の見方に慣れていきましょう。

基礎伏図の書き方とルール

ここまで基礎伏図の読み方、見方などについて解説していきました。

ここからは一般的な基礎伏図の書き方と合わせてルールについて解説していきます。

1.まず始めに基礎伏図に必要な情報を集めます。

必要な情報として、柱のサイズと位置、基礎の厚みとレベル、基礎梁のサイズとレベルなど基本的な情報を整理しておきます。

2.次に柱の位置とサイズを作図していきます。

通り芯のとの整合性が合うように作図を行いましょう。

3.基礎の平面形状を落とし込んでいきます。

基礎の位置、レベルを記載して基礎の形を作ります。

通り芯を基準に必要箇所に寸法の記入をしていきます。

4.基礎断面図を作成し、平面上では表せない高さ関係の情報を作図していきます。

基礎天端の高さや、天端から地盤面の高さなど必要な情報を記載していきます。

5.地中梁を記載していきましょう。

一般住宅では中々ありませんが、大型の建築物の基礎では必要となってくるものです。

梁のサイズや位置などを、基礎伏図の表記に合わせて記載していきます。

6.ピット床の位置を記載しましょう。

ピット床部分はコンクリート打設しない箇所になるため、凡例にしたがってコンクリート打設範囲と明確に分けて記載しましょう。

7.アンカーボルトや束石などの位置を記載しましょう。

アンカーボルトは土台と基礎を緊結するために必要なものであり、土台のサイズに合った大きさ、長さのものでなければいけません。

そのためサイズや位置については、基礎だけでなく土台との位置関係を考慮しながら記載していきます。

束石は、木造であれば大引きという構造材を支えるための部材であり、通り芯を基準に適切な箇所に配置していきましょう。

8.床下換気口、人通口の配置をしていきましょう。

これらは換気や人が通ることを目的として設置する穴であるため、そのサイズや位置には注意が必要です。

小さすぎては役割を果たすことができなくなり、大きすぎれば基礎の強度を弱めてしまうことにつながります。

上記が一般的な基礎伏図を書くための流れです。基礎は仕上がってしまうとやり直しが困難な工事です。

そのためちょっとした寸法や数量の間違いは、致命的なものとなってしまうため、書き方、見方やルールをよく理解したうえで誰が見てもわかる図面の作成が求められます。

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ここからは専門性が高く、見方や書き方にもルールがある基礎伏図作成におススメの図面作成ツール:EdrawMaxについて紹介します。

図面作成ツール:EdrawMax

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さまざまな業界で導入されており、図面作成だけでなくチャートや組織図などの作成も可能となっています。使用できる機能は限られますが、フリー版は無料ダウンロードが可能なため、気軽に始めることができます。

テンプレートが豊富にあるため、基礎伏図で必要な符号や凡例も簡単に作成可能です。

直感的な操作性で複雑な図面作成にも対応しており、基礎断面図の作成などの作成にも十分対応できます。

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まとめ

今回の記事では、建築工事で使用する図面のひとつ基礎伏図について見方や書き方などについて詳しく解説していきました。

基礎工事は、建築工事の中で一番始めに行う工事であることが多く、重要な工事です。そんな基礎工事の品質や精度を確保するために、基礎伏図は重要な役割を果たす図面です。

今回の記事を参考に基礎伏図の見方、書き方に早く慣れて理解を深めていきましょう。

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