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ユーザーストーリーとは?作り方を紹介

ユーザーストーリーという言葉を耳にしたことはありますか?ソフトウェア開発の現場でよく使われるこの言葉、正確には何を意味するのでしょうか。この記事では以下の点について詳しく解説していきます。

  • ユーザーストーリーの定義とその構成要素
  • 効果的なユーザーストーリー作成のための6つの要素
  • ユーザーストーリーの書き方の方法

ユーザーストーリーの基本から、その作成方法、さらには効率的なツールの活用方法まで、幅広くご紹介します。

1.ユーザーストーリーとは?いつ使う?

ユーザーストーリーとは、ソフトウェア開発のプロセスにおいて、エンドユーザーの視点からの要求や期待を簡潔に記述する手法のことを指します。少し難しそうに感じるかもしれませんが、実際には非常にシンプルなものです。

具体的には、「私は〇〇として、△△を実現したい。その理由は□□だから」という形式で記述されます。

例えば、オンラインショップの開発を行っている場合、ユーザーストーリーは「私はショッピングユーザーとして、商品のレビューを読みたい。なぜなら、購入判断の際に他のユーザーの意見や評価を知りたいから」というようになります。

ユーザーストーリーは特にスクラムフレームワークで用いられ、開発者とステークホルダーのコミュニケーションを効果的にサポートします。
スクラムフレームワークではユーザーストーリーが頻繁に採用され、新機能の提案や機能改善時にユーザーのニーズを明確にするために使われます。これにより、開発チームはユーザー中心の製品を効率的に開発することが可能となります。ユーザーストーリーと似ている用語で、ユーザーストーリーマッピングがあります。ユーザーストーリーマッピングは、ソフトウェア開発のプロジェクトにおいてエンドユーザーの体験を中心に製品の全体像をビジュアル化する手法です。ユーザーストーリーを「どの順番で」開発するか、また「どのような関連性があるか」をビジュアル化します。

ユーザーストーリーは個別の要求や機能を記述するもので、ユーザーストーリーマッピングはそれらのストーリーを全体のコンテキストの中で整理・ビジュアル化するものです。

2.ユーザーストーリーを作成する早道

ユーザーストーリーを作成

ユーザーストーリーの作成は、初めての方には少し難しく感じるかもしれません。しかし、以下のポイントを押さえることで、効率的にユーザーストーリーを作成できます。

エンドユーザーの視点を持つ

これはユーザーストーリー作成の基本中の基本です。開発者やビジネスサイドの視点ではなく、実際にサービスを利用するエンドユーザーの視点で考えることが重要です。

シンプルに保つ

複雑な技術的な内容や業界用語は避け、シンプルな言葉でニーズを表現します。

具体的な数字を用いる

例えば、「1分以内にレスポンスが返ってくること」や「月に1000件以上の取引ができること」といった具体的な数字を用いることで、要求の明確化が図れます。

最新のツールを活用することで、このプロセスを大幅に効率化することが可能です。その代表的なツールとして「EdrawMax」があります。EdrawMaxのAI機能を活用すれば、ユーザーストーリーがこれまで以上にスムーズになります。EdrawMaxでの具体的な作成方法は、次章でご紹介します。

3.ユーザーストーリーの作り方

ユーザーストーリーは、製品やサービスの開発においてエンドユーザーの視点を中心にした要求や期待を明確にするための強力なツールです。以下に、ユーザーストーリーの効果的な作成方法とそのポイント、注意点を詳しく解説します。

3.1ユーザーストーリーの構成

ユーザーストーリーはエンドユーザーの視点からの要求や期待を明確にするため、以下の3つの要素を中心に構築されます。

「(人や役割)として、(目的や行動)を実現したい。その理由は(理由や動機)だから」

人や役割
この要素は、特定の機能やサービスを利用する具体的なユーザーを示します。ユーザーストーリーの主語として機能し、どのユーザーグループが製品やサービスの特定の機能を利用するのかを明確にします。例えば、オンラインショップの場合、役割は「ショッピングユーザー」や「管理者」などとなるでしょう。

目的や行動
この要素は、ユーザーが達成したい具体的な目的や行動を示します。ユーザーが何をしたいのか、どのようなタスクを完了したいのかを明示します。例として、「商品のレビューを読む」や「在庫を管理する」などが考えられます。

理由や動機
この要素は、ユーザーがその特定の行動を取る理由や動機を明確にします。ユーザーのニーズや欲求を理解し、それに応じてサービスを最適化するための鍵となります。例えば、「購入前に商品の評価を知りたいから」や「正確なビジネス戦略を策定するため」といった動機が考えられます。

(作成例)
EdrawMaxのAI機能は、過去のデータやユーザーの行動パターンを分析し、エンドユーザーの視点に立ったユーザーストーリーを提案してくれます。EdrawMaxのAIは、業界用語や複雑な技術的内容を自動的にシンプルな言葉に変換してくれます。さらに、具体的な数字や期待値を基にしたユーザーストーリーの提案も可能です。

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1.AIタブのその他から「ユーザーストーリー」を選択します。

ユーザーストーリーを作成


2.画面右側のAIチャットにてユーザーストーリーの構成を入力します。

ユーザーストーリーを作成


3.AIがユーザーストーリーを作成します。

ユーザーストーリーを作成


4.必要に応じて成形して使用します。

EdrawMaxは、過去のプロジェクトや業界のデータベースと連携できます。これにより、例えば「月に1000件以上の取引ができること」といった具体的な数字をもとにしたユーザーストーリーの生成が可能となります。

3.2ポイントと注意点

ユーザーストーリーの作成において、以下の6つのポイントを考慮することが不可欠です。

Independent(独立性)
各ユーザーストーリーは他のストーリーと独立している必要があります。これにより、ストーリーの優先順位を自由に変更でき、柔軟な開発が可能となります。
Negotiable(交渉可能)
ユーザーストーリーは固定された契約ではなく、開発チームとステークホルダー間での詳細や要件に関する交渉の余地が必要です。
Valuable(価値がある)
すべてのユーザーストーリーはエンドユーザーにとって明確な価値を持つべきです。これにより、製品の最終的な価値を最大化できます。
Estimable(見積もり可能)
開発チームは、ユーザーストーリーの実装にかかる時間やリソースを適切に見積もることができる必要があります。
Small(小さく)
ユーザーストーリーは、短いスプリント内で完了できるサイズであるべきです。通常、1つのストーリーの実装には3〜5日を目安とすることが推奨されます。
Testable(テスト可能)
作成されたユーザーストーリーは、品質を確保するためにテスト可能でなければなりません。

(注意点)
ユーザーストーリーの作成に際しては、エンドユーザーの視点を常に中心に置くことが重要です。具体的な数字を用いることで、要求の明確化やユーザーの期待の理解が深まります。

しかし、ユーザーストーリーが冗長になり過ぎないよう注意が必要です。特に、一つのストーリーが複雑になりすぎた場合、それをより小さな部分に分割することを検討することが求められます。

ユースケース、PRD(製品要求仕様書)とユーザーストーリーの比較

ソフトウェア開発のプロジェクトでは、要求定義の手法としてユースケース、PRD(製品要求仕様書)、ユーザーストーリーが主流となっています。これらのアプローチは、それぞれ異なる特性と利点を持ち、プロジェクトの規模や目的によって最適な選択が変わります。

ユースケースは、システムの機能とユーザーのインタラクションを中心に、明確なシナリオを描写する手法として知られています。特に、ユーザーとシステムの相互作用を詳細に捉える場面での採用が推奨されます。

PRDは、製品の全体的なビジョンを明確にするためのドキュメントであり、機能、性能、制約などの詳細な要件を網羅的に記述します。大規模プロジェクトや、全体の設計を一貫して行う場合に特に適しています。

ユーザーストーリーは、エンドユーザーの視点からの要求を簡潔に記述する手法です。アジャイル開発、特にスクラムの環境での採用が増えており、開発者とステークホルダーのコミュニケーションを円滑にするというメリットがあります。

これらの手法を比較すると、ユーザーストーリーは短期的な開発サイクルでの迅速なフィードバックを取り入れながら開発を進められます。一方、ユースケースやPRDは、より詳細な要求定義が必要な場合や、大規模なプロジェクトでの使用が適しています。

まとめ

この記事ではユーザーストーリーとは何かをお伝えしました。

  • ユーザーストーリーはソフトウェア開発におけるエンドユーザーの要求や期待を簡潔に記述する手法。
  • 「人や役割」としてのユーザー、彼らの「目的や行動」、そしてその「理由や動機」を中心に構築。
  • 効果的なユーザーストーリー作成のための6つの要素:独立性、交渉可能性、価値、見積もり可能性など。

ユーザーストーリーの作成に興味があるなら、「EdrawMax」を試してみてください。AI機能を搭載しており、ユーザーストーリーの作成が思った以上に簡単に作成できます。効率的に要求を明確化し、開発プロセスをスムーズに進めるための最適なツールです。

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