ビジネスダイアグラムの例

マッキンゼーが提唱した7Sの使い方と実際の使用例

ハードだけの企業改革は失敗する可能性が高い!

企業がこの先も存続し発展するためには社会環境や時代ニーズの変化に対応できるような企業改革が必要になってきます。組織を分析するフレームワークとして有名なのが7sです。7sとはマッキンゼーが提唱する分析ツールです。

7sとはいったいなに?今回はマッキンゼーの7sとその使い方、使用例を分かりやすく説明します。

マッキンゼー7Sを作成するならEdrawMax(エドラマックス)

プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし


Part 1: 5W1Hとは?意味と目的

7sが提唱される以前の企業改革は戦略の見直し、組織変更、マニュアルや情報システムの変更といったハード面の改革が重視されていました。

しかしこういったハード面の組織改革を行ってもまた同じ不正や不祥事が繰り返され企業の存続すら危うくなるケースが過去何度もあったのです。

このためマッキンゼーはハード面以外の分析も必要だとして、企業の構造を7つの要素に分類し分析することを提唱しました。

① Strategy(戦略)

② Structure(組織構造)

③ System(システム)

④ Shared value(共通価値観)

⑤ Staff(人材)

⑥ Style(スタイル)

⑦ Skill(スキル)

McKinsey1

「7s」とは上記の7つの要素の頭文字からとったもので、①②③が「ハードのS」、④⑤⑥⑦が「ソフトのS」と区分されます。

7sの中心に位置するのはShared value(共通価値観)です。経営陣から社員まで経営理念や価値観が共通で認識されるShared value(共通価値観)は7sのなかで最も重要だとされており最初に確立すべき要素です。

1.1 ハードのS

ハードのSは以下の3つで構成されています。ハードのSはソフトのSよりも改革しやすいと云われています。その理由は経営者の意向が反映しやすく、組織変更やシステム改革は企業努力で可能になるからです。

① Strategy(戦略)

② Structure(組織構造)

③ System(システム)

3つの「ハードのS」による改革は行いやすい一方で失敗も多いというのは、企業内での人間というソフトの要素を重要視していなかった証といえます。

1.2 ソフトのS

ハードのSよりも改革に時間がかかるため困難と言われるのが「ソフトのS」です。その訳は「ソフトのS」の4要素は人間の価値観や感性、能力差の要素が強いため企業としてまとめるのが難しいからです。

④ Shared value(共通価値観)

⑤ Staff(人材)

⑥ Style(スタイル)

⑦ Skill(スキル)

これら4つの「ソフトのS」はすべて「人」の要素が大きいため、変化に予想がつかず時間をかけて少しずつ改革しなければいけない要素です。

マッキンゼーの7sとは3つの「ハードのS」と4つの「ソフトのS」をバランスよく調整するためのフレームワークです。



Part 2: マッキンゼー 7s モデルの7つの要素

それではマッキンゼー7sモデルの7つの要素について簡単に解説します。

① Strategy(戦略)

戦略とは企業が目標を達成するための長期的な方向性のことです。そのために限られた財的資源や人的資源を各組織へどのように展開するべきか分析する必要があります。

② Structure(組織構造)

組織の系統図に示される組織構造のことです。組織の階層だけでなく指揮命令系統、責任や権限の範囲、上下関係、人間関係などが円滑であるかを分析します。

③ System(システム)

営業管理システム、情報管理システム、給与体系、業績評価体系などのシステムがうまく機能しているかを分析します。

④ Shared value(共通価値観)

共通価値観とは経営陣や社員が共通して認識しなければならないビジョンのことです。共通価値観が浸透していないと経営陣と社員の間に溝ができいかなる改革もうまくいきません。7sの中核をなす要素です。

⑤ Staff(人材)

企業を動かすのは人です。人はそれぞれ能力、性格、嗜好が違うためそれらを無視した配置や育成をしてもうまくいきません。人材を分析して適材適所に配置できるようにします。

⑥ Style(スタイル)

スタイルとは企業の社風や雰囲気のことでそれぞれの企業独自のものです。暗黙の了解も含まれます。企業のスタイルはトップダウンによってできるとは限らず社員からのボトムアップからできる場合もあります。スタイルと経営理念とが大きくかけ離れていないか分析します。

⑦ Skill(スキル)

スキルとは他社より優れている技術力や開発力などのことで、他には販売力、マーケティング力、情報力などがあります。

これらの7つの要素はそれぞれ独立しているのではなくそれぞれに影響を与えています。そのため一つの要素を変更すれば他の要素に影響が出ないか分析しなければいけません。

2.1 マッキンゼー7s導入のメリット

マッキンゼー7sを導入するメリットは問題点や改善点がはっきりと示されることです。たとえ表面上では特に問題がなくても7sで分析した結果、改善点が見つかることがあります。問題点が大きくなる前に定期的に7s分析することをお勧めします。

2.2 マッキンゼー 7sを使う時とは

自社の状態が不安

自社の状態がどんな状態かわからない、あるいは現状が不安だという人もいるでしょう。マッキンゼー の7sを使って自社の分析をしてください。その結果をみて改革すべき点が見つかれば提言してください。

緊急事態

ライバル社からの新製品発売、生産コストの増大、為替の変動など様々な状況から企業として危機的な状態に陥ることはよくあります。

こういった緊急な事例が発生し、企業として対抗策を考えなければならないのですが、その変更によってどのような影響が出るのかを分析するのに7sを使います。

例えばライバル社が新製品を出し自社の売り上げに影響が出たと想定してみましょう。7sで分析すればどこにどのような影響が出るのか具体的な想定ができるようになり、改革を速やかに進めることができます。

2.3 マッキンゼー7sの注意点

マッキンゼー7sの中心はShared value(共通価値観)です。まず始めに共通する価値観を決めてから他の6つの要素を決定するようにします。

ハードの3Sは着手しやすいため、ソフトの4Sをおろそかにしてしまいがちです。しかしハードよりもむしろソフトの4Sこそ時間をかけるべきという声すらあります。

これまでにハードの3Sのみ行った企業が業績を悪化させたり何度も不祥事を繰り返したりといった失敗例が多くありました。この例からもわかるとおり、改革を成功させるにはハードの3Sだけでなくソフトの4Sにも力を注がなければいけないのです。



Part3 : マッキンゼー 7sの使用方法と使用例

マッキンゼー 7sの導入手順と使用方法を順に説明します。使用例は「ヤマダ自動車」という仮想企業が企業改革をすると想定したものです。

3.1 現状の分析

まず現状の分析を7sに基づいて行います。7つの要素にそれぞれ現在の状況、問題点を書き込んでいきます。図の枠内が小さければ別表にして書き込むようにしてください。

McKinsey2

3.2 優先順位をつける

分析の結果次のようなことがわかりました。

・部署が多く似たような開発をしていて無駄な予算が使われていた。

・人数に偏りがあり残業時間の多い部署から不満が上がっていた。

・新規の開発は2件あるが調べると2つを合同で進めるほうが合理的であると判明した。

この分析結果からどこを優先すべきかを決めます。

McKinsey3

2つの部署を合併することが優先すべきであることがわかりました。

3.3 改革案作成 

2つの部署を合併する具体的な改革案を作成します。図を添付して作成するとより分かりやすくなります。

McKinsey4



Part 4: まとめ

マッキンゼーの7sは企業改革を成功に導く分析ツールです。その内容は3つのハードのSと4つのソフトのSで構成されています。

これまでの企業改革の失敗は3つのハードのSだけの改革が多かったためだと考えたマッキンゼーは4つのソフトのSこそ改革成功のカギであると考え7sを提唱しました。そして7つの要素はバランスよく調整しなければならないと訴えました。

現在はマッキンゼーの7sのフレームワークが企業分析に広く使われていますが、分析資料を作成するには図や表を入れたほうがはるかに効果的です。

図や表を簡単に作れる図形ツールのお勧めはEdrawMaxです。このページでも使っていますがテンプレートの量が圧倒的に多く編集も簡単でとても使いやすいです。

プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし

Edraw Max -- All In One の作図ツール
  • 豊富なテンプレートと図形
  • 様々なファイル形式に対応
  • フローチャート、マインドマップ、組織図などを作成
  • Officeライクの操作感覚 初心者もすぐ使える

関連記事