円形のグラフとして、円グラフ、ドーナッツグラフとは別に、サンバーストというものがありますが、これは一体どんなものでしょうか?ドーナッツグラフとは違うものなのでしょうか?以下では、サンバーストとは何か、ドーナツグラフとの相違点、その活用分野と活用シーン、その作成方法等について説明します。
1. サンバーストとは?
サンバースト(Sunburst chart)は、データを円形に放射状に分割し、階層的な構造やカテゴリを視覚的に表現するための円グラフの一種で、サンバースト図、サンバーストチャート、サンバーストグラフ、リング チャートまたはマルチレベル円グラフとも呼ばれています。
データの階層構造を視覚的に明示するのに便利なツールで、親ノードから始まり、その子ノード、孫ノードといったように階層的な構造を示し、特に、データのカテゴリ、構造、関連性を示すのに有用で、ツリーマップと同様に大量のデータを効果的に可視化することができます。
具体的には、円の中心から外周に向かって放射状に扇状に分割されたセクターがあり、これが各階層の要素を表します。各セクターの大きさや角度は、その階層の要素の重要度や割合を示します。通常、内側の円から外側の円にかけて階層が進んでいきます。
1.1サンバーストとドーナツグラフの違い
サンバーストとドーナッツグラフ(Donut Chart)は、どちらも円形の視覚化チャートですが、異なる目的やデータの表現方法を持っています。以下にそれぞれの主な違いを説明します。
①データの表現と目的:
・サンバースト:階層的なデータ構造を視覚化するためのツールです。円形のグラフで、中心から外側に向かって放射状にカテゴリや階層が表示され、それぞれの要素が親子関係を持つことが通常です。主に階層構造を示すのが目的で、データが階層化されていることが前提です。
・ドーナッツグラフ:円形のグラフであり、中心に空洞があり、それを利用してドーナツのような形状を持ちます。主な目的は、データの合計やパーツの割合、相対的な比率を表示することです。一般的には、カテゴリごとの割合や全体の割合を示すのに使われます。
②データの表現方法:
・サンバースト:円周を親子関係の階層に割り当て、円のセクションが階層の要素を表します。円周上のセクションの大きさは、それに対応するカテゴリの重要度や割合を示します。
・ドーナッツグラフ:円形のグラフ全体が100%(全体)に相当し、各カテゴリやセグメントがその中でどれだけの割合を占めるかを示します。内側の円の半径と外側の円の半径の間の空間がドーナッツの穴のようになります。
③データの理解や比較:
・サンバースト: 主に階層構造や親子関係の理解に向いており、カテゴリ間の比較よりも、階層内の関係を示すことが重視されます。
・ドーナッツグラフ:各カテゴリやセグメントの割合を把握しやすく、全体に対する相対的な比率やパーツごとの比較が強調されます。
2.サンバーストの描き方
ここでは、市販の汎用ソフトを使ってサンバーストを描く方法を紹介します。
2.1 Microsoft Excelで描く手順
Microsoft Excelを使ってサンバーストを描く手順は以下のとおりです。
①データを作成します。欠損があってもかまいません。
②データ範囲を選択します。
③「挿入」タブ→「グラフ」グループの中の「階層構造グラフの挿入」アイコンをクリックし、「サンバースト」アイコンをクリックします。
④サンバースト図が作成されるので、グラフタイトル、データラベル、凡例等を必要に応じて修正します。
2.2 Wondershare EdrawMindが提供するテンプレートで描く手順
Wondershare EdrawMindを使えば、テンプレートを使って以下の手順でサンバーストを描くことができます。
①Wondershare EdrawMind を起動します。
②「ギャラリー」タブをクリックします。
③「sunburst」で検索をすると、テンプレートが複数表示されるので、イメージに近いものを選択して「複製」ボタンをクリックします。
④キャンバスにテンプレートが複製されるので、適宜修正を加えます。
・テーマ:色合い、フォント、背景を変更します。
・タイトル:円中心をクリックして編集します。
・メイントピック:ツールバーの「トピック」をクリックして編集します。
・サブトピック:ツールバーの「サブトピック」をクリックして編集します。
3.サンバースト作成のコツ
サンバーストを効果的に作成するためのいくつかのコツを以下に示します。
①データの整理と準備:
使用するデータを適切に整理し、階層構造に合わせて整形します。データの階層構造を明確にし、各要素の親子関係を把握します。
②適切なツールの選択:
サンバーストを作成するための適切なツールを選択します。一般的なツールとしては、上でご紹介したMicrosoft Excel、Wondershare EdrawMind以外にもMicrosoft Powerpoint、Google Chartsなどがあります。
③視覚的なデザイン:
視覚的なデザインに注意を払います。色彩、フォント、レイアウトなどが見やすく、分かりやすいように設計します。明瞭で一目で階層構造が理解できるデザインを心掛けます。
④適切な階層構造の選択:
適切な階層構造を選択することが重要です。データの性質や目的に応じて、階層を適切に設計します。必要に応じて階層を変更することも検討します。
⑤重要な情報の強調:
サンバーストでは、重要な要素や重要な階層を適切に強調します。これにより、見る人が重要な情報に焦点を当てやすくなります。
⑥対話性の導入:
サンバーストに対話性を導入することで、ユーザーがインタラクティブにデータを探索できるようになります。ズームやクリックによって詳細情報を表示する機能を活用しましょう。
⑦適切なレベルの詳細表示:
サンバースト図は階層構造を示すためのツールであるため、適切なレベルの詳細を表示することが重要です。必要な詳細が適切に表現されていることを確認します。
⑧テストとフィードバックの取得:
サンバーストを作成したら、テストして利用者のフィードバックを収集し、必要に応じて改善を行います。ユーザーの理解や使いやすさを重視します。
これらのコツを活用して、視覚的に効果的で理解しやすいサンバーストを作成することが重要です。
4.サンバーストの活用分野と活用シーン
サンバーストは、データの階層的な構造や関係性を理解しやすくするため、以下のような。さまざまな分野で幅広く活用されています。
①組織・企業の構造と戦略:
組織や企業の階層構造やビジョン、戦略を示すために利用されます。組織の部門や役職、プロジェクトの関係性を視覚化するのに有用です。
②プロジェクトマネジメント:
プロジェクトのタスクや進捗、リソースの配分を視覚的に表現し、プロジェクトの進行状況を把握するのに利用されます。
③情報アーキテクチャ:
ウェブサイトのナビゲーション構造や情報のカテゴリ分けを示すのに活用されます。ユーザーがサイトを効果的に閲覧するためのデザインの指針として使用されることがあります。
④学習・教育:
教育分野では、教材や学習の階層構造を視覚的に表現するのに利用されます。学習内容や進捗を学生に視覚的に示すことができます。
⑤科学研究:
科学の分野では、複雑な概念や理論の階層構造を視覚化するのに利用されます。生物学、物理学、コンピュータ科学などの分野で活用されています。
⑥ビジネスインテリジェンス:
ビジネスデータの階層構造やビジネスプロセスの可視化に用いられ、組織がデータから洞察を得るのに役立ちます。
また、シーン別にみると以下のようなシーンで活用されます。
①データ可視化:
階層的なデータの構造を視覚的に示すのに役立ちます。データの階層や関係を明確にし、大量のデータを理解しやすくします。
②階層構造の可視化:
データやカテゴリが階層的に組織されている場合に、階層構造を視覚的に表現するのに適しています。例えば、組織の階層構造、ファイルシステム、商品カテゴリなどを視覚的に表現できます。
③データの構造の理解:
大量のデータがどのように構造化されているのかを理解するのに役立ちます。特に、データの要素が他の要素にどのように関連しているかを示すのに有用です。
④分類やカテゴリの表示:
データの異なるカテゴリや分類を視覚的に表示するのに使えます。それぞれの部分がどれだけの割合を占めているかを一目で把握することができます。
⑤トピックの表示と関連付け:
複雑なトピックやテーマを視覚的に表現するのに利用できます。関連するトピックやサブトピックを表示し、それらの関連性を示すことができます。
まとめ
ここでは、円形階層構造グラフの一つであるサンバーストについて、ドーナツグラフとの違い、その活用シーン、ソフトを活用した描き方などについて説明しました。
通常、Excelを使ってサンバーストを描く人が多いと思いますが、Excelだと、描いてみるまで完成イメージを掴むことはできません。その点、EdrawMindのテンプレートを使えば、完成イメージを掴んでから作成することができるので、非常に便利です。是非一度、使ってみてください。