ER図作成ソフトEdrawMax

  • ER図の作成を効率化
  • テンプレートが豊富に用意
データベース-ER図 How-Tos

初心者が知っておくべきER図の基本と書き方

あなたはER図について知っていますか?ソフトウェア開発において、設計とコミュニケーションは非常に重要な要素です。その中でもER図は、オブジェクト指向プログラミングの設計において広く用いられるツールの一つです。ER図はソフトウェア開発において多くの利点を提供します。この記事では、ER図の基本的な概念と使い方、書き方について解説します。

1.ER図とは

ER図(Entity-Relationship Diagram)は、データベース設計におけるデータモデルを視覚的に表現する図表です。この図は、エンティティ(データの種類やオブジェクト)、エンティティ間の関係、属性、および制約を含みます。エンティティは実世界の対象を表し、関係はエンティティ間の接続を示します。属性はエンティティに関連づけられたデータの特性を表現します。ER図はデータベースの設計、理解、コミュニケーション、ドキュメンテーションに使用され、データベースの構造と関係を明確にし、データモデルを設計する際に不可欠なツールです。

2.ER図を書く目的(メリット)

ER図を書くことには多くのメリットがあります。以下はその主な点です:

データモデルの可視化 ER図はデータベース内のデータ構造を視覚的に表現し、データモデルを理解しやすくします。
要件分析 データベースの要件を明確にし、データモデルを設計する前に必要な変更を特定します。
コミュニケーション 開発者、データベース管理者、ステークホルダー間でデータ構造と関連性についての共通理解を構築し、コミュニケーションを改善します。
品質管理 データベースのデータ整合性、正確性、一貫性を確保し、データ品質を向上させます。
変更管理 変更を文書化し、影響を評価し、データベース設計の変更を管理します。
データモデルの証拠 データベース設計のプロセスと判断に対する証拠として使用し、将来の参照に備えます。
データベース設計の改善 ER図を見ることで、データベース設計の問題や最適化の機会を発見しやすくします。
データモデルの文書化 データベースの構造と関係を文書化し、新しいチームメンバーや利用者への参照資料として活用します。

総括すると、ER図はデータベース設計と管理において、データモデルの可視化、要件分析、コミュニケーション、品質管理、変更管理など多くの側面で重要な役割を果たします。データベース関連のプロジェクトでER図を活用することで、データベースの信頼性と効率性を向上させることができます。

3.ER図の基本

ER図(Entity-Relationship Diagram)は、データベース設計においてデータモデルを視覚的に表現するツールです。基本要素には以下が含まれます:

エンティティ(Entity):

データの種類やオブジェクトを表します。例えば、"学生"や"サークル"はエンティティです。以下の図中で青枠で囲ったものがエンティティです。

属性(Attribute):

エンティティに関連付けられたデータの特性を表します。例えば、"学生"エンティティの属性には"学生ID"や"名前","住所","年齢"が含まれます。以下の図中で赤枠で囲ったものが属性です。

リレーション(Relationship):

エンティティ間の接続やリンクを示します。例えば、"顧客"と"注文"エンティティ間の関係は、"顧客が注文を行う"ことを表現します。以下の図中で黄い選で示されたものがリレーションです。

ER図の基本構造

図2. ER図の基本

ER図はデータベースの設計と理解に役立ち、データ構造と関係を視覚的に表現します。エンティティ、属性、関係を使用して、データベースの論理的な構造を定義し、データモデルを設計します。

4.ER図のリレーション

ER図における「リレーション(Relationship)」は、データベース内のエンティティ(データの種類やオブジェクト)間の接続や関連を表現します。関係性は以下の要素で構成されます:

関係名(Relationship Name) 関係性を識別する名前です。例えば、「所有する」「注文する」などの関係名があります。
関係の度数(Degree of Relationship) 関係がエンティティ間で成立する度数を示します。一対一(1:1)、一対多(1:N)、多対多(N:N)などがあります。これはカーディナリティ(多重度)と呼ばれることもあります。具体的な表現方法については付録に記載します。

ER図の関係性はデータベース内のデータ要素の間の結びつきを明確にし、データモデルの正確性を確保するのに役立ちます。関係性を明示的に表現することで、データベースの設計と理解を助け、データの整合性と品質を向上させます。

5.ER図の種類

ER図(Entity-Relationship Diagram)にはいくつかの種類があり、異なる側面や目的に合わせて使用されます。

論理ER図(Logical ERD) データベースの論理的な構造を表現します。エンティティ、属性、関係に焦点を当て、データモデルの設計と理解に使用されます。
物理ER図(Physical ERD) データベースの物理的な実装を示します。テーブル、インデックス、キーなどのデータベースオブジェクトを含み、データベース管理者や開発者向けに使用されます。
コンセプチャルER図(Conceptual ERD) 高レベルでビジネスプロセスやデータの概念を表現します。組織全体のデータモデルを示し、ビジネス要件の理解や計画段階で使用されます。
物理データモデル(Physical Data Model) データベースの具体的なテーブル、カラム、キー、インデックスなどの詳細な実装情報を提供する物理的なデータモデルです。
概念データモデル(Conceptual Data Model) ビジネスプロセスとデータ要件を高水準で表現し、ビジネス全体の理解と要件分析に使用されます。
論理データモデル(Logical Data Model) データベースの論理的な構造を表現し、データモデルの設計と理解に使用されます。

ER図の選択は、プロジェクトの段階や目的に応じて行われます。コンセプトやビジネス要件の理解にはコンセプチャルER図が、データベースの設計には論理ER図や物理ER図が、実装には物理データモデルが役立ちます。

6.ER図の書き方とコツ

ER図を書く際の基本的なステップとコツは以下の通りです:

  • 要件の明確化: データベースの要件を十分に理解し、どのエンティティが必要か、どのように関連するかを把握します。
  • エンティティの識別: 各エンティティを明確に識別し、その名前と属性を決定します。
  • 関係性の設計: エンティティ間の関係を確立し、関係名、度数(1:1、1:N、N:N)、方向を定義します。
  • 属性の定義: エンティティに属性を追加し、それらの属性のデータ型や制約を指定します。
  • 主キーと外部キー: 各エンティティの主キーと外部キーを明示的に示し、データ整合性を確保します。
  • 図の配置: エンティティ、属性、関係をER図上で整然と配置し、可読性を向上させます。
  • 命名規則の遵守: 一貫性のある命名規則を使用し、エンティティ、属性、関係の名前をわかりやすくします。
  • ツールの利用: 専門の作図ツールやソフトウェアを使用することで、ER図を効率的に作成し、必要な情報を簡単に追加・編集できます。

ER図はデータベースの設計と理解に不可欠なツールであり、慎重に作成し、適切な文書化とコミュニケーションを行うことが重要です。

7. ER図の作成手順

例えば前述のコツを守ったER図を作成するのに1か月かかるとしたらどうでしょうか?それは正しい図であるかもしれませんが、ソフトウェアの開発は非常に遅くなってしまうでしょう。前述のようにツールの利用はER図の作成を劇的に効率化させてくれます。

世の中にはいくつもの作図ツールが存在しますが、Wondershare EdrawMaxはER図を含め非常に多くの図の作成に対応しています。しかも機能に制限はついていますが無料でダウンロードできるという点も非常に魅力的です。

以下の図に示すように、ソフトウェアとデータベース関連だけでもこれだけ多くの作図に対応しています。UMLクラス図を作成したい場合には、新規作成→ソフトウェアとデータベース→データベース→Chen ERDを選択してください。

ER図の作成手順

画面が開いたら、左側の一覧から実体関係図を選択すると利用できるオブジェクト一覧が表示されます(下図赤枠)。これらを画面中央にドラッグアンドドロップすると描画されますので、組み合わせてER図を書いていきます(下図青枠)。

ER図の作成手順

もちろん、複数のエンティティを記述して、エンティティ間の関連性も簡単に記載できます。メニューから線の種類や太さなども簡単に変更することが可能です。クラスに色付けすることもワンクリックです。

ER図の作成手順

まとめ

ER図はデータベース設計におけるデータモデルを視覚的に表現するツールで、エンティティ(データの種類やオブジェクト)、エンティティ間の関係、属性、制約を含む。メリットはデータモデルの可視化、要件分析、コミュニケーション、品質管理、変更管理、文書化、証拠提供、データベース設計の改善にある。基本要素はエンティティ、属性、関係であり、エンティティはデータの種類、属性はデータの特性、関係はエンティティ間の接続を表す。関係性には名前と度数があり、ER図はデータベース内のデータ要素の関連性を明確にし、種類には論理ER図、物理ER図、コンセプチャルER図などがある。ER図の書き方として、要件明確化、エンティティ識別、関係性設計、属性定義、主キーと外部キー指定、図の整理、命名規則遵守、専門ツールの利用が重要です。データベース設計と管理において不可欠なツールです。

ツールを使用することでER図の作成を効率化することができます。Wondershare EdrawMaxは多機能な作図ツールでER図を含む多くの図を作成可能です。ツールを使用することで作図にかかる時間を大幅に短縮できるので是非検討してみてください。

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これらのコツを用いて、ER図を作成することで、わかりやすく効果的な設計とコミュニケーションを実現できます。

付録

本記事で解説したER図で利用する矢印の一覧表を以下に示します。

ER図で利用する矢印の一覧表

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