回路図 記号

変圧器記号一覧 種類・意味・規格を紹介【記号の素材を使える】

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編集者: Edraw

変圧器の機能を理解していても、電気図面を作成するには記号について知らなくてはいけません。電気図面を正確に理解し設計するためには、変圧器記号の意味や種類を知ることが不可欠です。

この記事では、変圧器の基本的な定義や役割から始め、各種類の変圧器記号の特徴とその使い方について詳しく解説します。さらに、初心者でも簡単に使いこなせるソフトウェアEdrawMaxを活用した変圧器記号の利用方法も紹介します。変圧器記号の基本を理解し、実際の設計や学習に役立ててください。

変圧器記号を搭載する作図ツール

変圧器記号を含む豊富な電気記号・図面を搭載するEdrawMax

1. 変圧器とは?

変圧器は、高圧電力を安全に使用できる電圧に変換するために欠かせない存在です。変圧器の具体的な定義や役割、利用例について詳しく見ていきましょう。

1.1 変圧器の定義

変圧器は、電圧を所定の負荷に変換するための装置です。発電所で生成された高圧電力を、各施設や家庭の使用電圧に合わせて適切に変換するために使用されます。電圧を上げる「昇圧トランス」や下げる「降圧トランス」などさまざまな種類があり、その機能に応じて電力の供給を最適化します。

1.2 変圧器の役割

電気を効率的に送電するため、変圧器は重要な役割を果たします。高圧で電力を送ることで送電損失を減らし、最終的には利用者が安全に電気を使用できるように電圧を調整する役割です。電気製品は使用する電圧が決められており、異なる電圧で使用すると破損の恐れがあります。さらに、変圧器は電気機器の保護や異常電流からの絶縁機能も担っており、安全な電力供給に貢献しています。

1.3 変圧器の利用例

変圧器は、私たちの身近な場所でも多く使われています。家庭用のACアダプタや電子機器の電源は、変圧器によって適切な電圧に変換されています。日本国内で海外の電気製品の利用を可能にする、もしくは海外で日本製の電気製品を使用するために変圧器が必要です。日常生活から産業用まで、幅広い場面で変圧器は活躍しています。

2. 変圧器記号の種類と意味

変圧器は構造や用途に応じてさまざまな種類があり、それぞれに対応する記号があります。以下では、代表的な変圧器の種類とその記号について説明します。

2.1 2巻線変圧器

2巻線変圧器は、一次巻線と二次巻線の2つの巻線を持つ基本的な変圧器です。これらの巻線は鉄心を共有し、電磁誘導の原理に基づいて電圧を変換します。

単線図用

複線図用

2巻線変圧器の記号:単線図

2巻線変圧器の記号:複線図

2巻線変圧器の記号は、単線図用と複線図用があり、単線図では円を用いて各巻線を表現します。これにより、シンプルで視覚的に理解しやすい記号となっています。

2.2 3巻線変圧器

3巻線変圧器は、一次、二次、そして三次巻線を持つ変圧器で、より複雑な電圧変換や多様な用途に対応します。

単線図用

複線図用

3巻線変圧器:単線図

3巻線変圧器:複線図

たとえば、異なる電圧レベルで複数の出力を提供する必要がある場合に使用されます。この変圧器の記号は、各巻線の位置や結線方法を明確に示すために、さらに詳細な図示が求められます。

2.3 単巻変圧器(一般図記号)

単巻変圧器は、一次巻線と二次巻線の一部を共有している特殊な変圧器です。この構造により、巻線の量を減らし、小型化と低コスト化を実現しています。

単線図用

複線図用

単巻変圧器:単線図

単巻変圧器:複線図

単巻変圧器の一般図記号は、一次巻線と二次巻線が共有される部分を視覚的に示しており、通常の変圧器と区別するための特徴的な表示がされています。設計図においては、この記号を使用することで、単巻変圧器の特性と用途を明確に伝えられます。

2.4 計器用変圧器

計器用変圧器は、電力システムにおける電圧や電流の測定に使用される特別な変圧器です。

単線図用

複線図用

計器用変圧器:単線図

計器用変圧器:複線図

計測精度を高めるために設計されており、安全性も確保されています。計器用変圧器の記号は、測定用の巻線を強調し、計器接続ポイントを明示することが重要です。

2.5 遮蔽付き2巻線単相変圧器

遮蔽付き2巻線単相変圧器は、電磁干渉を防ぐために特別なシールドが施された変圧器です。

単線図用

複線図用

遮蔽付き2巻線単相変圧器:単線図

遮蔽付き2巻線単相変圧器:複線図

このシールドは、一次巻線と二次巻線の間に設置され、外部からの干渉を最小限に抑えます。記号には、シールド部分が明確に描かれており、通常の2巻線変圧器との違いを一目で識別できるようになっています。

3. 変圧器記号の規格

規格に基づいた変圧器の記号を使用することで、設計や施工において誤解やミスを防ぎます。ここでは、変圧器記号の国際規格への適合と、その変更点について解説します。

3.1 国際規格に合わせてJIS C0617に改正された

日本の電気用図記号は、長い間JIS C 0301に基づいていました。しかし、国際貿易の円滑化を目的としたTBT協定の遵守のため、JIS C 0301は廃止されます。国際規格IEC 60617の第2版と同一内容のJIS C 0617が、1997年と1999年に制定されました。この改正により、日本の電気用図記号は国際的な基準に準拠することとなり、国際間の取引や技術交流が一層スムーズになりました。

3.2 新規格での対応

新たに制定されたJIS C 0617では、電気用図記号の統一が進められました。新規格に基づく記号は、縦書きの場合は上方が電源、横書きの場合は左側が電源を示すように規定されています。また、開閉機能を持つ機器の場合、配置に応じて図記号の向きを変更する方法も明示されています。これにより、図面上での誤解が減り、より正確な情報伝達が可能になりました。

新規格の導入により、日本国内で使用される電気用図記号は国際標準に準拠することになり、国際取引における障壁が減少しました。企業間や国際間の技術情報の共有が容易になり、効率的な設計と施工が実現されています。

4. 豊富な変圧器記号を搭載するEdrawMax

EdrawMaxは、電気回路図の作成に便利なソフトウェアで、無料でダウンロードして利用できます。変圧器の記号が豊富に搭載されており、初心者でも簡単に使いこなせます。ここでは、EdrawMaxでの変圧器記号の利用方法をわかりやすく解説します。

4.1 変圧器記号の選択と配置

ツールバーから「電気回路図」テンプレートを選び、左側のシンボルライブラリから変圧器記号を探します。

変圧器記号の選択と配置

シンボルの検索窓から「変換器」と検索しても同じ記号が表示されます。見つけた記号をドラッグ&ドロップで作図エリアに配置します。マウスのみの直感的な操作で、誰でも簡単に回路図の作成が可能です。

4.2 変圧器記号のカスタマイズ

配置した変圧器記号は、必要に応じてサイズや向きを変更できます。記号をクリックすると、サイズ調整ハンドルや回転ハンドルが表示されるので、自由にカスタマイズが可能です。これにより、設計に最適なレイアウトを簡単に作成できます。

4.3 作成した回路図の保存と共有

回路図が完成したら、保存と共有を行います。EdrawMaxでは、作成した図面をさまざまな形式で保存できます。

作成した回路図の保存と共有

たとえば、PDFや画像ファイルとして保存できます。また、クラウドに保存して他のユーザーと共有することも可能です。作成した回路図は簡単に共有でき、共同作業をスムーズに進められます。

5. まとめ

変圧器は電圧を適切に変換するために欠かせない装置であり、その記号を理解することで図面の作成や施工まで安全に進められます。

さまざまな種類の変圧器があり、それぞれに記号が決められています。各記号は単線図用と複線図用に分かれており、用途に応じて使い分けます。この記号は国際規格に準拠しています。新規格に基づく記号の統一により、設計図の正確さが向上し、国際間の技術交流が円滑に行われています。

EdrawMaxを利用すれば、初心者でも簡単に変圧器記号を使って電気図面を作成できます。

記号が豊富に搭載され、配置やカスタマイズなどの操作が直感的に行えます。EdrawMaxを活用して正確な図面を作成し、電気の勉強や業務に役立ててください。

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