レイアウト図を作成する際、どのような方法で作成するか考えた場合にエクセルでの作成を検討する方もいるのではないでしょうか。本記事では、エクセルでレイアウト図を作成する3つの方法をご紹介します。
有料の図面作成ソフトが多い中で、エクセルはパソコンに装備されていれば課金なしで使用できます。また、誰でも気軽に利用できる点や、操作が簡単なところはエクセルのメリットと言えるでしょう。一方で、壁厚や窓枠を反映させるような細かい作業は難しいため、詳細な図面を描くのには不向きです。また、エクセルにはテーブルや椅子などの素材がないため、別のサイトから素材を集める必要があります。しかし、簡単なレイアウトや、工事会社に要望を伝えるための資料として、エクセルで作図することは良い方法です。最後までご覧いただき、エクセルでレイアウト図を作成してみましょう。
1. 準備作業
はじめに、準備作業として方眼紙の作成と紙面サイズの設定を行います。
- 方眼紙作成
エクセルシートの左上をクリックして全範囲選択します。そして、セル(1つのマスのこと)の高さを確認します。セルの高さの確認方法は青い丸印のところをクリックすると高さが表示されます。上図の場合、セルの高さは20ピクセルです。
次にセルの幅を20ピクセルに調整します。全範囲選択のまま、上図の丸印のところをクリックしながら左にスライドし、幅を72ピクセルから20ピクセルに調整します。そうすると、
このように正方形のセルができ、方眼紙のようになります。
先ほどの方法以外にも上図のように、書式からセルの行の高さや列の幅を設定することも可能です。
- 用紙サイズ設定
用紙サイズはA3に設定します。
ページレイアウトから、サイズをクリックしてA3を選択します。
次に、同じページレイアウトから印刷の向きをクリックして、横を選択します。
これで用紙サイズの設定は完了です。用紙サイズの設定をすることで、A3横サイズの枠線が点線で表示されます。しかし、点線のままでは枠線がわかりにくいため、以下の作業をしていきましょう。
A3横サイズ(点線)に合わせて外枠に罫線を引いていきます。A3横サイズを範囲指定して、上のメニューバーにある罫線から外枠または外枠太罫線を選択します。これで、A3横サイズがどこからどこまでかが一目でわかります。外枠罫線を引くことで、枠がわかりやすくなり、作図しやすくなります。
2. 方法① 罫線機能で作成する
こちらは罫線機能で作成した会議室のレイアウト図です。部屋部分を範囲指定して、外枠太罫線で部屋の壁を作成しました。部屋の中にある机は、範囲指定後、罫線の外枠を選択してそれぞれ配置しています。一つテーブルを配置したら、テーブル部分を選択してコピーアンドペーストで他のテーブルを配置できます。
出入り口の両引きドアは、下二重罫線と左(右)罫線で仕上げました。罫線機能は、セルに沿って罫線を引くため足りない部分は挿入メニューの図形機能で円(◯)などの図形を追加したり、写真やイラストを追加したりする必要があります。
挿入メニューの図形から円(○)を選択して椅子を配置できます。全てのテーブルに椅子を配置したレイアウトがこちらです。(下図参照)
一列できたら、コピーアンドペーストで簡単に全てのテーブルに合わせて椅子を配置できます。
罫線機能は、セルやセルの選択範囲の周囲に線を引く機能です。罫線の種類や太さを調整することで、部屋の壁や建具、インテリアをそれぞれ表現できます。罫線機能で作成するレイアウト図は、比較的単純なレイアウトの際に役立ちます。操作は、線を引きたい部分を範囲選択して、罫線の種類を選んで罫線を引くだけと非常に簡単です。誰でも簡単に罫線機能でレイアウトできる点はメリットといえます。しかし、複雑なレイアウトや寸法の表現は、罫線機能だけでは難しいため、他の機能やCADソフトなどのツールの利用がおすすめです。
3. 方法② 図形機能で作成する
挿入メニューの図形には下図のようにさまざまな形の図形があります。
これらを使ってレイアウト図を作成するやり方をこれから紹介していきます。図形の四角形を選択して、部屋の大きさに合わせて図形の大きさを変更しましょう。
配置した図形を選択して右クリックすると図形の書式設定があります。そこから、図形の塗りつぶしを無しにしたり、線の太さを変更したりすることができます。
赤い丸印の片開きドアは図形の円弧と罫線を使って表現できます。先ほどと同様に図形の書式設定で線の色を変更し、図形の向きを調整することでこのようにドアを表すことが可能です。
上図は洗面所と浴室の間取り図です。洗面台や洗濯機置き場、浴槽、浴室カウンターは全て図形を使って配置しました。今回は図形の色は全て黒に設定していますが、お好きな色に変更でき、テキストボックスで文字の挿入もできるため、自由にカスタマイズしてレイアウト図を作成できます。変更したい箇所は、その図形をクリックして大きさや線の太さ、色などをすぐに修正できます。
こちらは、図形の書式設定から塗りつぶしの色を選択して、色付けをしたレイアウト図です。色付けすることで、視覚的に図面を整理でき、実際の空間をイメージしやすくなります。また、レイアウト図自体の見た目も変わるため、わかりやすく美しい図面が出来上がります。図形機能を使ったレイアウト図は、罫線機能のレイアウト図より少々複雑なレイアウトでも作成できるところがポイントです。しかし、家具・家電やインテリアなどの素材はないため、Webサイトから写真や画像を集める必要があります。
4. 方法③ 描画機能で作成する
エクセルの描画機能はoffice365の新機能です。office365のエクセルでない場合は、表示することができません。描画機能でレイアウト図を作成するために、エクセルのメニューの[描画]タブを表示させておく必要があります。[描画]タブは、[ファイル]→[オプション]→[リボンのユーザー設定]から表示可能です。
描画タブにあるペンを使ってレイアウト図を描いていきます。
ペンの色や太さは自由に変更できます。ペンを選択したら、図を描いていきましょう。
図が描けたら、なげなわをクリックして先ほど描いた図形を囲みます。その後、インクを図形に変換を押してきれいな図形に仕上げます。この手順を繰り返すと、図形機能で作成したようなレイアウト図ができあがります。
エクセルの描画機能には、手書きで描いた図をきれいな図形に変換したり、通常の図形機能にはない色やペンの太さで描画できたりする機能があります。罫線機能や図形機能でのレイアウト作成が難しいと感じる場合は、描画機能でレイアウト図を作成して見るのも一つの方法です。描画機能を使えば図形を素早く挿入できるため、時間をかけずにレイアウト図の作成が可能です。自分の好みに合わせてペンの色や太さが変更できるため、楽しんでレイアウトできるのではないでしょうか。また、Windowsのタッチ対応端末なら、手書きで自由に描画できて、メモ感覚でメモやコメントをレイアウト図に直接書き込めるので、ホワイトボードのような使い方も可能です。
5. おすすめの平面図作成ツールEdrawMax
エクセルでレイアウト図を作成する方法を紹介してきましたが、EdrawMaxなら方眼紙や用紙サイズの設定をすることなく簡単にレイアウト図を作成できます。平面図やレイアウト図作成におすすめのEdrawMaxの魅力を解説していきます。
- レイアウト図作成用の素材とテンプレート
EdrawMaxには豊富な素材とテンプレートがあり、初心者でも簡単にレイアウト図が作成可能です。
間取り図テンプレートには、住宅やオフィスなどさまざまな場面で役立つフロアプランが多くあります。
また、家電や住宅設備、家具などさまざまな素材があるため、好きな素材を使ってレイアウトを楽しめます。
- 便利な作図機能
EdrawMaxには便利なAI搭載機能が備わっています。
作図画面内のAIメニューからAI描画をクリックします。作成したい画像をテキストで説明したり、他の画像を使ったりするとAIが画像生成してくれます。作図やレイアウトが苦手な方でも楽しく利用できて、思いつかないようなアイディアを得られるでしょう。
- バージョン管理
バージョン管理ができるところもおすすめポイントです。EdrawMax内のバージョン履歴を使えば、クラウド上に保存された図面のバージョンを確認できます。また、確認できるだけではなく、最新のバージョンや以前のバージョンに変更することが可能です。
- CADファイル(DWG/DXF)のインポートに対応
EdrawMaxではCADファイル(DWG/DXF)のインポートに対応しています。
左上のファイルからインポートをクリックすると、上図のようなポップアップが表示されます。ここから他の形式ファイルを読み込んだ後に編集することができます。
- 複数形式のファイルとしてエクスポート可能
作成した図面やレイアウト図はさまざまな形式のファイルへ変換可能です。
画像やPDFだけではなく、WordやExcel、パワーポイント、SVG、Htmlなどのファイルへエクスポートできます。相手が要求する形式のファイルにエクスポートできる点は非常に便利な機能といえます。