組織図 How-Tos

施工体系図の書き方とすぐに使えるテンプレート3選

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編集者: Edraw

「施工体系図」は建設現場の工程管理や組織体制を明確に示すために欠かせないものです。

現場で誰が何を担当しているのかを視覚的に整理することで、情報共有がスムーズになり、ミスの防止や作業効率の向上にもつながります。特に複雑なプロジェクトでは、施工体系図があるかないかで進行のスピードや品質に大きな差が出ることもあります。

本記事では、施工体系図の基本から書き方、実務にすぐ活用できるテンプレートまでを初心者にも分かりやすく解説します。

1.施工体系図とは

施工体系図とは、建設プロジェクトにおける各関係者の役割や所属、責任範囲を視覚的に整理した図です。主に元請会社、下請会社、協力会社といった関係者がどのような構成で業務を進めるのかを明示し、現場全体の体制を一目で把握できるようにします。施工体系図は、工事の安全性や品質管理、工程管理に直結する重要な資料として、多くの現場で活用されています。

施工体系図の例

この図が使われる目的は、大きく分けて三つあります。第一に、関係者間の情報共有を円滑にすること。第二に、施工体制に関する責任の所在を明確にすること。第三に、監督官庁や元請企業が現場を監査・評価する際の根拠資料となることです。さらに、施工計画書や施工体制台帳と一体化して活用することで、現場の管理体制を強化する効果も期待できます。

施工体系図の最大のメリットは「誰がどこで何をしているか」が一目で分かることです。これにより、作業の抜け漏れや連携ミスを防ぎ、トラブル発生時の対応も迅速に行えます。また、プロジェクト関係者の異動や増減が発生した際も、図を更新することで常に最新の情報を反映でき、管理の一貫性を保つことが可能になります。

2.施工体系図の要素と作成する時の注意点

施工体系図を正しく作成するには、基本となる要素を押さえることが重要です。主に含まれる内容は、事業者名、元請業者、下請業者、作業責任者、技術者、現場監督、協力会社名などです。これらの情報を階層構造で表すことで、現場における役割分担や指揮系統が明確になります。

特に重要なのは、各企業や担当者の位置づけが一目で分かるよう、整理されたレイアウトにすることです。例えば、元請業者を頂点にし、その下に下請業者や協力会社を並べるようにすることで、構造が直感的に理解しやすくなります。また、部署名や個人名に加えて、連絡先や担当業務などの補足情報を記載しておくと、さらに実用性が高まります。

注意点としては、情報の正確性と最新性を常に保つことが挙げられます。現場では人員の交代や組織変更が頻繁に発生するため、変更があれば速やかに図を更新する必要があります。また、見やすさを重視し、フォントサイズや図のバランス、余白の取り方にも配慮しましょう。過剰に詰め込みすぎると逆に読みにくくなるため、必要に応じて補足資料を分けて提示することも効果的です。

施工体系図は、現場全体の把握と安全性を支える土台となる図です。だからこそ、正確でわかりやすい作成を心がけることが求められます。

3.施工体系図の書き方

施工体系図を実際に作成する際は、現場の実態に即した構成で、誰が見ても分かりやすい図を目指すことが大切です。以下では、ある中規模建設プロジェクトを例に、EdrawMaxを使った施工体系図の作成手順をステップ形式で紹介します。

ステップ1:現場の体制を把握する

最初に行うのは、現場に関与するすべての関係者を洗い出すことです。元請会社をはじめ、下請会社、協力会社、作業班ごとのリーダー、管理責任者など、誰がどのような立場で関与しているのかを一覧化します。これにより図に必要な情報の全体像が明らかになります。

ステップ2:情報を階層構造に整理する

洗い出した関係者を役割に応じて階層構造に分類します。例えば、元請企業を最上位に配置し、その下に下請会社、さらに協力会社や作業員グループを紐づける形式です。階層を意識することで、現場内の指揮命令系統が明確になります。

施工体系図書き方1

ステップ3:EdrawMaxでテンプレートを選ぶ

EdrawMaxを起動し、「組織図」のテンプレートを選択します。施工体系図は組織構造に近いレイアウトとなるため、このテンプレートが非常に有効です。あらかじめ用意された「情報カード」付きのデザインを選ぶことで、役割名・会社名・担当業務などを簡単に入力できます。

ステップ4:情報カードをカスタマイズする

EdrawMaxの情報カードに、各担当者や企業名、連絡先、担当内容を記入します。必要に応じて部署名や資格情報なども追加可能です。また、各カードの色やサイズも調整できるため、元請・下請などの立場を視覚的に区別しやすくなります。

施工体系図書き方2

ステップ5:矢印や接続線で関係を明示する

情報カード間を接続線や矢印で結び、関係性を明確に示します。このとき、階層構造が視覚的に伝わるよう、線の向きや長さ、配置に注意しながら調整を行いましょう。EdrawMaxではドラッグ操作で簡単に修正できるため、微調整もスムーズです。

施工体系図書き方3

ステップ6:完成図を確認し共有する

完成した施工体系図は、必ず現場責任者や管理者と共有し、内容に漏れや誤りがないかを確認します。必要に応じて修正を行い、PDFや画像形式で保存して現場掲示用資料として活用します。

施工体系図書き方4

EdrawMaxは、初心者でも扱いやすいUIと多機能なカスタマイズ性を備えており、施工体系図の作成にも非常に適しています。これにより、現場の可視化と管理の精度向上を実現できます。

4.施工体系図の例とテンプレート

施工体系図はさまざまなプロジェクトに応じて柔軟に構成できます。ここでは代表的なテンプレートを3つ紹介し、それぞれの特徴と活用シーンについて簡単に説明します。下記のテンプレートをダウンロードしてEdrawMaxで編集可能です。

【テンプレート1:基本横型】

協力会社や作業班を業務分野ごとに分類したレイアウトです(例:電気工事、土木工事、設備工事など)。複数の専門業者が関与する大規模案件や、業種間の連携を重視したい場面に適しています。EdrawMaxの情報カード機能を活用すれば、業務内容ごとのカスタマイズも簡単です。

施工体系図テンプレ1

テンプレート1をダウンロード

【テンプレート2:基本縦型】

元請会社を頂点とし、その下に下請会社や協力会社を階層的に配置した最も一般的な形式です。現場の指揮系統を明確に示したい場合に適しています。各社名に加えて、担当者名や連絡先をカード形式で記載すれば、実用性が高まります。

施工体系図テンプレ2

テンプレート2をダウンロード

【テンプレート3:担当者別表示型】

各工事の工程ごとに関係者をグループ化した形式です。関係者の役割が変わる現場や、各フェーズの担当体制を明示したい場合に便利です。フェーズごとの色分けを使えば、視認性も向上します。

施工体系図テンプレ3

テンプレート3をダウンロード

これらのテンプレートはすべて、EdrawMaxの組織図機能をベースにカスタマイズ可能で、初心者でも手軽に作成できます。自社の現場に合った構成を選び、使いやすい施工体系図を整備しましょう。

5.施工体系図に関するよくある質問

Q1 施工体系図と施工体制台帳の違いは何ですか?

施工体系図は、現場における組織体制や役割分担を視覚的に示す図であり、主に誰がどのポジションにいて何を担当しているかを整理する目的で作成されます。一方、施工体制台帳は、法令に基づいて元請企業が提出する公式文書であり、施工業者や下請業者の情報、契約内容、資格情報など詳細なデータを含む資料です。つまり、施工体系図が「図解的な概要」であるのに対し、体制台帳は「詳細な記録」という違いがあります。

Q2 施工体系図のテンプレートや記入例はどこで入手できますか?

施工体系図のテンプレートは、EdrawMaxなどの図解作成ツールで簡単に入手可能です。EdrawMaxでは「組織図」テンプレートを応用することで、施工体制に合わせた図を素早く作成できます。また、国土交通省や建設業関連団体が公開している資料にも記入例が掲載されていることがあります。これらを参考に、自社の業務に合った形式を整えるのが良いでしょう。

まとめ

施工体系図は、建設現場の組織構成や関係者の役割を視覚的に整理するための重要な資料です。誰がどのような立場で業務に関与しているかを明確にすることで、現場の混乱を防ぎ、円滑な業務遂行を支援します。EdrawMaxのようなツールを活用すれば、初心者でも簡単に見やすい施工体系図を作成でき、実務での活用に大いに役立ちます。

この記事を参考に、無料体験版があるEdrawMaxを使用して、自社現場に合った施工体系図の整備を進めてみてください。

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